雄安新区建設の理由と地域選定の理由とは?―中国メディア

人民網日本語版    2017年4月20日(木) 0時10分

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21世紀の北京は、空前絶後の発展を遂げたものの、「大都市病」によるさまざまな苦境に直面している。

21世紀の北京は、空前絶後の発展を遂げたものの、「大都市病」によるさまざまな苦境に直面している。新華社が伝えた。

雄安新区建設の理由とは?

2014年10月17日、習近平総書記は「北京市・天津市・河北省の協同発展計画全体構想枠組」を確認し、指示を出した際、「現在、北京、天津、河北の3エリアは発展格差が大きく、ともに歩み、同じように発展を促進することはできないが、格差がさらに拡大してはいけない。実際の状況から手を付け、条件を満たした地域を選んで率先的に発展を推進し、テストやモデルを通じて他地域の発展を牽引することが必要だ」と述べた。

習総書記はその後も考えを進め、14年末に開催した中央経済活動会議では、「北京市・天津市・河北省の協同発展の核心的問題は北京の非首都機能の分散、北京の人口密度の引き下げ、経済社会の発展と人口・資源環境とのバランスの促進にある」と述べた。

これにより方向性はますますはっきりし、その構想はより明確になり、北京以外の場所に新都市を建設するという戦略的構想が次第に成熟していった。

15年2月10日、中国共産党中央財経指導チーム第9回会議で、北京、天津、河北の協同発展計画綱要の審議検討が行われた。習総書記は演説の中で、「複数スポットと1都市、旧都市の再編」という構想を打ち出した。この「1都市」とは、北京以外の場所に新都市を建設することを検討し、考察するという意味だ。

16年3月24日、習総書記は中共中央政治局常務委員会の会議を主催した際、「北京は目下、歴史的な選択に直面しており、北京自身が外に広がる状況から、北京の中心都市部以外の場所に北京の都市副センターと集中的受け入れ地域を計画建設する方向へ移行しようとしている」と述べた。

▽なぜ雄安が選ばれたのか?

北京の非首都機能を集中的に受け入れる新区の場所を選ぶ上で、地理的に遠すぎても、近すぎても問題となる。なぜなら、近すぎればつながって一つのエリアになってしまい、分散という目的が果たせなくなる。そして遠すぎれば北京の波及効果や牽引効果を受け入れることは難しく、非首都機能を受け入れ、移転させることができなくなるからだ。

新区は北京と天津にはさまれた場所となり、その各方面における優位点が明らかだ。土地や土木の環境、地質的条件が優れており、発展の可能性が大きいことが、北京の非首都機能の分散を集中的に受け入れる場所として真っ先に選ばれた理由だ。

具体的な理由として次の4点が上げられる。

(1)地理的優位性。雄安新区は北京と天津で2等辺三角形を形作り、北京からの距離は105キロメートル、天津からは105キロメートル、河北省石家荘からは155キロメートル、同省保定からは30キロメートルの距離となっている。

(2)交通アクセスの良さ。雄安新区は東に大広高速道路、京九鉄道、南には保滄高速道路、西には京港澳高速道路、京広旅客専用線、北には栄烏高速道路、津保鉄道などの幹線交通が走っている。北京、天津、石家荘、保定との間で30分通勤圏を基本的に形成できると同時に、北京の新空港からは約55キロメートルの地点にあって、空港という優位性も備わり、ハイエンドなハイテク産業の発展ニーズを十分に満たすことができる。

(3)優れた生態環境。雄安新区は華北大平原で最大の淡水湖・白洋淀を擁するほか、漕河、南瀑河、萍河、南拒馬河など多くの河川が地域内を流れている。

(4)開発レベルの低さ。雄安新区にあたる範囲内の人口密度は低く、建築物は少なく、移転が少なくてすむ。核心エリアの管轄下の人口は10万人に満たず、北京の1コミュニティほどの規模だ。開発建設が可能な土地が豊富にあり、建設プランを立てやすい一方で、一定の都市の基礎的条件が備わっている。

▽雄安新区の新しさとは?

「新区」の「新」には「新しさで古い局面をうち破る」という意味が含まれており、北京市・天津市・河北省の協同発展の「新局面」を構築し、中国の地域における協同発展実現に複製可能で普及拡大が可能な経験を提供することがねらいだ。

雄安新区は伝統的工業や不動産が主導する集積エリアではなく、革新による駆動が発展の土台になり、制度、科学技術、企業環境の改革革新を進め、ハイエンドのハイテク企業を誘致して集積し、技術研究と譲渡取引、成果の孵化と転化、産業と都市の融合を一体化した革新発展モデルエリアを建設することを目指す。

戸籍制度改革、医療制度改革、公共サービスの改革、行政管理体制改革の深化、大部門制とネガティブリスト管理の実施、投融資体制改革の模索、対外協力の強化による貿易利便化の促進、世界と地続きの都市管理ルール・システムの構築などの体制メカニズム改革が、新区の発展を制度的に保障することになる。

改革の全面的深化という大きな局面の中で、雄安は「改革のトップバッター」として、一連の改革措置をここでまず試行しテストし、「深水区」で複製可能かつ普及拡大が可能な新しい道筋を見いだすことになる。

▽新区の今後の発展のタイムテーブル

現在、新区の建設作業が迅速に秩序よく進められている。今後の見通しは次の通り。

3年後の2020年には、新都市の輪郭が基本的に構築を終える。雄安新区の幹線交通網が基本的な建設を終え、スタート区のインフラ建設と産業配置の枠組みがほぼ完了する。

5年後の22年には、北京冬季五輪の開催期間に北京・天津・河北の主要都市との連携を一層緊密化させ、北京の中心都市エリアとタイミングをずらした発展を遂げ、スタート区のインフラ設備はすべて建設が完了し、新区の核心区が基本的に完成する。

13年後の30年には、グリーン・低炭素、情報・スマート、住みやすく働きやすい現代型新都市が生き生きした姿を見せ、高い競争力と影響力を備えた人と自然が調和共存する都市が完成する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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