ビル・ゲイツ氏が「ロボットに課税を」と提案、中国学者「非現実的」―中国メディア

人民網日本語版    2017年3月9日(木) 9時40分

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マイクロソフト社の創業者・ビル・ゲイツ氏が最近「ロボットに課税を」と提案し、大きな議論を呼んでいる。

マイクロソフト社の創業者・ビル・ゲイツ氏が最近「ロボットに課税を」と提案し、大きな議論を呼んでいる。

世界一の富豪ゲイツ氏は、「人間の労働者が工場で5万ドルの仕事をすると、その収入に対して課税される。ロボットが同じことをするなら、ロボットに同程度の税を課すのが望ましい」とし、課税の目的について、「自動化で仕事を失った人の研修に当てればいい」と持論を展開した。

ゲイツ氏のこの提案は、奇想天外なジョークと見なされているものの、ロボットと人間の関係をめぐる論議を巻き起こしている。

中国社会科学院工業経済研究所の研究員・李暁華氏は取材に対して、「ゲイツ氏のロボットに課税をという提案の本質は、ロボットの登場による生産効率の向上と、人間の福祉、特に弱者のグループの利益のバランスを取ることだ」とし、「ある国がロボットへの課税を通して製造業の生産効率の向上を抑制すれば、その製造業の世界における競争力は弱まり、輸出が減少し、結局、雇用に影響を及ぼす。現在、新たな科学技術革命と産業変革が起こっており、ロボットと人工知能はスマート製造を代表とする新経済の中心で、課税が原因でスマート化の進展が遅れるなら、損失となってしまう」との見方を示した。

現在、中国の製造業は人口ボーナスの減少、人件費の高騰などの圧力に瀕しており、同業の産業転換・グレードアップが急務となっている。もし、産業が時代遅れのままで、費用対効果が低く、企業が赤字を出すほどであれば、雇用がもっと危機に瀕する。

中国政府はこの点にすでに気付いている。中国国務院が発表している今後10年における製造業の発展のロードマップを示した「メイド・イン・チャイナ2025」では、製造業のハイエンドへの転換を推進するために、工業ロボットの発展がそのカギであると指摘されている。中国はロボット産業を今後の製造の分野の重要な分野に盛り込んでおり、製造業のデジタル化、スマート化を通して、規模が大きく、産業体系が整備されているという製造業のメリットを生かして、産業転換・アップグレードを実現させたい考えだ。

その他、中国は政策を継続して打ち出して、就職を確保している。今年1月末に、国務院が発表した「第13次五カ年計画(2016-20年)中の就職促進計画」は20年までに、就職の規模を安定して拡大させ、都市部と農村部で新たに計5000万人以上の雇用を創出し、中国全国の都市部と農村部の失業率を5%以下に抑えることを目標に掲げている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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