中国製造業の平均賃金、10年間で3倍増、すでにブラジルなどを追い抜いた―英紙

Record China    2017年2月28日(火) 5時50分

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27日、英紙フィナンシャル・タイムズはこのほど、中国の製造業部門の平均賃金は、2005年当時の約3倍水準まで上昇しており、すでにブラジルやメキシコを追い抜き、10年後にはギリシャやポルトガルに追い付こうとしていると伝えている。写真は中国の自動車工場。

2017年2月27日、参考消息網によると、英紙フィナンシャル・タイムズは、中国の製造業部門の平均賃金は、2005年当時の約3倍水準まで上昇しており、すでにブラジルやメキシコを追い抜き、10年後にはギリシャやポルトガルに追い付こうとしていると伝えている。

市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、1時間当たりの賃金を見ると、中国の労働力は、チリ以外の主要なラテンアメリカ諸国をすでに上回り、ユーロ圏で経済力が相対的に弱い一部の国の約70%に達している。

これは、中国が14億人の生活水準の改善において進展があったことを示すものだ。一部のアナリストは、生産性の向上により、中国製造業の賃金は、伝統的な中所得国以上に押し上げられることになると指摘する。だが急速に上昇する賃金水準は、中国が他の途上国に雇用を奪われる可能性があることも意味している。

新興市場に焦点を当てた投資銀行であるルネッサンス・キャピタルのグローバル・チーフ・エコノミスト、チャールズ・ロバートソン氏は「中国が他の国々と比較してどれほどうまく行っているかは注目に値する。中国は西側諸国の水準に追い付こうとしている。これは他の多くの新興市場が成し遂げられない点だ」と指摘する。

ユーロモニターによると、中国の製造業部門の平均時給は、05年から16年までの間に3倍増加し3.60ドル(約403円)に達している。一方、ブラジルは同期間に2.90ドルから2.70ドルに、メキシコは2.20ドルから2.10ドルに、南アフリカは4.30ドルから3.60ドルにそれぞれ減少している。

中国は01年に世界貿易機関(WTO)に加盟し、世界経済との緊密度がより増したことで、賃金水準はアルゼンチン、コロンビア、タイを上回った。

資産運用会社スタンダード・ライフ・インベストメンツの新興市場エコノミスト、アレックス・ウルフ氏は「WTO加盟以降、中国の賃金は爆発的な成長を見せている」と述べている。

中国経済は全体的に賃金水準が上昇しており、すべての部門の中国の平均賃金は、05年の1.50ドルから昨年の3.30ドルに増加している。これは、ブラジル、メキシコ、コロンビア、タイ、フィリピンよりも高い水準だ。

ユーロモニターの戦略アナリスト、オル・モヒウディン氏は「中国人労働者の生産性水準は賃金よりもさらに速く上昇している」と指摘。「賃金インフレを文脈に置かなければならない。製造業者はまだ中国にいることで恩恵を受けるだろう」と語る。

中国国内市場の規模は、人件費の上昇にもかかわらず、製造業労働者を助ける可能性が高い。モヒウディン氏は「中国は20年までに、一部の市場で北米や西ヨーロッパと同様に20%のシェアを占めるだろう」との認識を示している。

一方、ルネッサンス・キャピタルのロバートソン氏は「中国では人口の高齢化と就業年齢人口の減少が予想されることから、今後数年間でより高い賃金圧力につながる可能性がある」としている。(翻訳・編集/柳川)

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