中国食文化の精髄を日本人に伝えたい―日本で成功した中国人シェフが語る

Record China    2017年2月16日(木) 0時40分

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「いわゆる愛国というのはスローガンではなく、実際に行動することだ」そう語るのは、在日華人企業家の陳ばん湧(ちん・ばんゆう、ばん=まだれに龍)さんだ。

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「いわゆる愛国というのはスローガンではなく、実際に行動することだ」そう語るのは、在日華人企業家の陳ばん湧(ちん・ばんゆう、ばん=まだれに龍)さんだ。陳さんは、東京の赤坂、渋谷、丸の内、新宿、銀座、秋葉原などで7店舗の中国料理店「陳家私菜」を経営している。近年「陳家私菜」はよく日本のマスメディアに取り上げられ、注目を浴びている。

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美食家の祖父に可愛がられ、少年時代に数多くのおいしいと評判の店を訪れ貴重な体験をした。こうした体験もあり料理への興味は人一倍強くなった。その後、上海錦江濱館や上海ヒルトンホテルで修業時代を過ごし、中華料理の基本を学んだ。

1988年、25歳の陳さんは日本円の5000円と両親からもらった一袋の米を背負い来日した。来たばかりの時は知り合いもなく日本語も分からなかった。他の留学生と同じようにアルバイトしながら学校に通い、その後無事に大学を卒業し、日本企業に入社。数年後に退職し自分の料理店を開いた。

その理由を聞くと陳さんは、「日本社会には本来の中国料理のステイタスに対する誤解があることに気付いた。一般の日本人にとって、中国料理といえば安くて量が多く満腹になるというものだ」と語り、日本社会に長い間根付いていた中国の食文化に対する誤解を解き、材料を厳選し、食と医療が高度に結びついた『医食同源』の中国文化を『屋台料理』と呼ばせないようにする、というのが陳さんの信念だった。

日本社会に中国食文化の精髄を理解してもらうために、陳さんは中国に戻り食材を調達した。そして次に、日中の融合である。中国の本場の優れた香辛料と、選び抜いた日本の契約農場から毎日送られてくる日本の最高の食材を組み合わせたのだ。

陳さんは信念を持ち続け、数十年の努力で生み出した頂天石焼麻婆豆腐、元祖麻辣刀削麺、よだれ鶏、胡麻棒餃子など数多くの個性ある料理は多くの人に愛され、日本の政治家、芸能人も彼の常連客になった。毎年紅白歌合戦の終了後には「陳家私菜」が打ち上げ会場として貸し切りとなり、芸能界のスターたちがここに集まってテーブルを囲んでいる。

現在、7店舗を持つ社長になっても初心を忘れず、自らもぜいたくはしない。「あきらめず、情熱を持って数十年一日のごとく日本の皆さまにおいしい料理を提供し、料理を通して中国の食文化を理解していただくことこそ私にとって一番の愛国行為と考えています」と語っている。(提供/日本新華僑報・編集/内山)

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