Record China 2008年2月22日(金) 12時24分
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20日行われた日本対中国戦…一夜明けた21日、中国国家代表のコーチや中国スーパーリーグの監督を経て、青少年の育成などでも評価の高い国内サッカーの「ご意見番」金志揚氏が自身のブログにゲームの感想を語った。
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20日、行われた日本対中国戦…一夜明けた21日、各メディアやサッカー関係者は、中国代表に対して、非常に厳しい見方を示した。その中で、中国国家代表のコーチや北京国安(中国スーパーリーグ)の監督を経て、昨年まで北京理工大学の監督を務め、青少年の育成などでも評価の高い金志揚氏が自身のブログに前日のゲームの感想を語った。金氏は、国内サッカーファンの信望も厚く、現在は、国内サッカーに対する「ご意見番」的な存在である。
その記事の一部を抜粋し、日本語訳して転載する。中国サッカーの「ご意見番」が20日の中国代表をどう見たのか…非常に興味深い分析が書かれている。なお、試合内容の具体的な分析については省いて、翻訳した。
(引用開始)
サッカーは一生懸命だけでは出来ない〜中日戦を見て
サッカーはただ「一生懸命」であるだけでは勝てない。サッカーは「知能」「技能」「体力」が合わさった総合的なスポーツだ。中国代表は知能と技能では日本に及ばないが、体力は負けていなかった。そして身体能力は相手より上だ。
中国代表は、試合中、常に「一生懸命」であった。だが、そうであればあるほど焦りが出て、フォーメーションは崩れ、最後はデタラメなサッカーをやっていた。
この試合、中国は4枚のイエローを受けた。何度、同じことを繰り返すのか。リ・ウェイフォンはまた1枚のイエローを食らった。彼のようなベテラン選手が自分をコントロールできないなら、若い選手はどうなるのか。
焦りというのは恐ろしい。そして頭を使わず、ただ「一生懸命」だけで相手に勝とうとする考え方はもっと恐ろしい。その結果、ただ勝てないだけではない。それは我々のサッカーの将来を担う…すなわち試合を見ている子供達に悪い影響を与えるのだ。
リ・ウェイフォンやジュ・ティンらの一部の動作は全く必要のないものであり、我々からすると「見掛け倒しの物笑いの種」という感じだ。
この試合、中国代表の前半は非常によかった。後半、日本の中盤が少し変化した。これによって、中盤のコントロールが効かなくなり、焦りが出てきた。精神的な不安定さはミスを生み出す。最後には、卓球のようなサッカーとなった。ただ後ろからロングボールを蹴り出すだけの盲目的なサッカーだ。
前半と後半は中国代表の精神状態は全く異なり、結果も違った。前半は、気持ちの部分で強さがあったし、それが相手の中盤を制約した。何度かチャンスも作った。だが、後半は、相手の変化に、今度は我々が制約された。彼らは中盤で厳しくプレッシャーかけてきて、中国にパスの機会を与えなかった。これで、中国の中盤での優勢を失わせた。
(中略)
全体的に見れば、まず、中国代表の「一生懸命」は、後半のサッカーを混乱させた。そして、中国代表の技術のなさが明らかになった。いやそれだけではない。代表チームの戦術のなさ、そして何より、道徳的な資質のなさ…いずれにおいても、非常にレベルが低かった。
大会前の、やれ優勝だ、やれ日本と韓国に勝つだ…などという盛り上がりが非常に、滑稽に思えてくる。こういった盛り上がりは、決して悪いものではない。ただ口だけではなく、実際に「勝つためにはどうすればよいか」を考え出さねばならない。現実には、日本戦の後半で、相手のプレッシャーが強くなってきたとき、これに中国は対応する方法を全く見出せなかった。
もう一つは、両サイドのディフェンスの問題だ。今大会、これまでに中国代表は4点を失っているが、それら全てが右サイドからの突破からだ。この点を早急に改善しなければならない。次の試合は、リ・ウェイフォンは出場できない。あんな無意味なイエローが、中国代表にこんな大きな損失をもたらすというわけだ。
実際、今大会は勝敗にそれほど大きな意味がない。中国代表の目標はあくまでもW杯出場である。その意味では、日本、韓国、北朝鮮というのは、格好の相手だ。今大会を通じて、試合経験を積み重ねればいい。負けることは怖くない。大切なことは、試合の中から教訓を得ること。そして、3月26日のオーストラリア戦(W杯アジア予選)に気持ちの面でしっかり準備をしていくことだ。
(引用ここまで)
氏の言葉は、W杯予選への期待で締められ、その未来への希望は失われていないが、随所に痛烈な批判がある。中国の多くのサッカー関係者にとっても、歯がゆさとイライラばかりの試合だったといえるだろう。特に、多すぎるイエローと「一生懸命」が空回りしたラフプレーには、実際、国内でも強烈な批判が渦巻いている。
この「ご意見番」の言葉を受けて、代表チームは変わることができるのだろうか。
<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>
■筆者プロフィール:朝倉浩之
奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。
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