<早分かり>労働争議も多発、「世界の工場」で働く低所得労働者の実態―中国

Record China    2008年2月13日(水) 6時31分

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先日発表された「07年度中国民営経済発展分析報告」によると、全国の個人経営企業で働く従業員は1億人を超えたという。彼らの中には過酷な条件下で労働に従事する者も少なくない。写真は5月1日の施行に先駆けて、書店で発売された「労働争議調解仲裁法」の表紙。

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中華全国工商業聯合会が先ごろ発表した「07年度中国民営経済発展分析報告」で、07年9月までに中国全国で登記されている個人経営企業で働く従業員数は1億1000万人を突破しているとの報道があった。小規模個人経営者の多くが無届けであることを考慮すると、実際の従業員数は、すでに2億人に近いと見られている。

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こういった私企業の労働者たちが「世界の工場」の原動力になっていることは否めないが、年々激化するコスト戦争の裏で、悲惨な労働環境に耐えている労働者が激増している。

珠江デルタや長江デルタ、華東沿岸地区といった中国の一大生産基地に集中する民間企業の多くは中小規模の家族経営で、特殊な技術を持たず、競合他社と似たり寄ったりの生産力しか持ち合わせていない。そんな中、コスト安で勝負するしかない企業のほとんどは、人件費を極限に抑えることでかろうじて生き延びる術を探っている。

貧しい農村から安い労働力を確保し、月あたり数百元(数千円〜1万円程度)の給料で、福利厚生もつけずに過酷な労働に従事させる。1日12時間労働、休みはあっても週休1日、遅刻や病欠をすれば罰金といった待遇も珍しくない。

2005年11月に河南省林州市の某石材工場で摘発された事件はその典型だ。農村から「いい出稼ぎ先がある」と農民を騙して連れて来た上、朝の4時半から夜中の12時まで毎日休みなく働かせ、夜は宿舎に監禁、トイレに行くにも監視がつくといった非常識な事件だが、中国ではたびたび似たような事件が報道されている。

先ごろ話題のギョーザ中毒事件の製造元工場でも被雇用者の権利を無視した雇用実態に労働争議が絶えなかったという報道もある。こうした状況から思わぬ事故や事件に発展しないよう、労働環境の整備が待たれるばかりだ。(翻訳・編集/愛玉)

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