「信じられない!」と17代も続く寿司屋に驚嘆、日本人には文化に対する責任感と使命感がある―中国人学生

日本僑報社    2016年11月12日(土) 14時0分

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中国人が日本を訪れる理由の一つに、伝統文化の継承や保護がきちんとなされていることがよく挙げられる。吉林大学の李珍さんは日中の伝統文化の継承について、作文につづっている。資料写真。

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中国人が日本を訪れる理由の一つに、伝統文化の継承や保護がきちんとなされていることがよく挙げられる。吉林大学の李珍さんは日中の伝統の継承について、作文に次のようにつづっている。

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ある日本ドラマで寿司屋さんの家系が17代継承し続けてきたのを見た。「何?17代も続けられたなんて、信じられない!」と私は不思議に思った。ネットで日本にはその寿司屋さんだけでなく、ラーメン屋さんや豆腐店、しかもトヨタ自動車やキヤノンなどの大企業も世代を経て来た結果、今があることにも気付いた。

中国だと、「家族経営って、そんなに長続きしないよ。途中で止めちゃうんじゃない」と思っている人が決して少なくないと思う。中国にも食べ物にせよ、手工芸にせよ、昔から続いて来たものが多かったが、家系が断絶したためその秘法を世間に知らせないまま消えてしまったか、時代の変遷のためかによってだんだん失ってしまったものが数多くある。ところが、日本人の友達の話によると、日本人は伝統文化を親から子へ伝えるのを重視しているのだと聞いた。その文化を失うのは家族伝承の責任を取らないのと同じだと言う。

そこで、私は日本の「雛人形」のことを思い出した。雛人形は新暦の3月3日に日本で行われている雛祭りに家に飾る人形である。その雛人形を子々孫々引き継いでいく家庭もあると聞いた。引き継ぐだけでなく、日本人は自分たちの文化を他の人に伝播し、共有しようとする根性もあると思う。日本人は日本へやって来る外国人の観光客には必ず茶道、花道、着物の着方、花火などを体験させてあげようとする。私はその国をちゃんと理解するには言語だけではなく、文化だと思っている。日本人のこういう文化の伝播は外国人が日本という国を理解する上で、役立つはずだ。

また、日本人は世界各国の良いと思ったものは積極的に受け入れて消化、吸収している。その具体的な例を挙げると、中国の茶道、着物、三味線などである。もともとは中国から伝わってきたものであるが、日本独自のものにし、日本の伝統文化となっている。これらは中国ではもうほとんどと言っていいほどその原型は見られなくなっている。いまさら、これらを中国の伝統のものだと言っているわけではない。もう一つの例は「言葉」である。日本人に作られた和製漢語である。その中の「経済」「共産主義」「自由」「知識」などの言葉は、いま中国でもなくてはならないほどまるで元来の中国語のように使われていて便利である。

先にも挙げた寿司屋さんや家内工業のことから考えられるのは、その人たちの責任感や使命感である。家族の伝統を引き継ぎながらこの厳しい世の中で生き残るために新しいものを考え出すのはきっと誰よりも苦しかっただろう。しかし、その苦しみを超えたからこそ輝く今があるのだろう。伝統文化を継承し、それを他人に伝播しながら、柔軟に受け入れて自国に合うものへと転化させる。その文化に対する責任感と使命感は、日本人の根性であると私は考える。

時代とともに日本人の文化の継承の仕方は変わっているが、その文化に内包する本質的なものはずっと変わらないである。我々中国人はもう後戻りができないところまで来ているのかもしれないと思っている人もいるだろう。しかし、中国もこれから、日本の継承の仕方、発揚精神を見習って、私たちがまだ失ってないものをちゃんと守ろうとすれば、自国の文化を継承できると私は思っている。異文化の良い点を受容することも大切であるが、何よりもまずは、自国にある継承すべき文化を消滅させないようにと、私は願っている。(編集/北田

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、李珍さん(吉林大学)の作品「日本文化から見る根性のある日本人」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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