Record China 2016年10月28日(金) 22時0分
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28日、財経網によると、陝西省西安市を走る路線バスの運転手が、乗客の「定員オーバー」を理由に逮捕された問題が物議を醸している。写真は西安市。
2016年10月28日、財経網によると、陝西省西安市を走る路線バスの運転手が、乗客の「定員オーバー」を理由に逮捕された問題が物議を醸している。
通勤通学の時間帯に乗客がぎゅうぎゅう詰めになったバスを見て、「定員オーバーにはならないのか」と疑問を抱いたことはないだろうか。西安市公安局臨潼分局は先日、「定員39人のバスに60人を乗せていた」として、危険運転罪で路線バスの運転していた呉(ウー)容疑者を拘束した。同局は乗客を降ろした後に、車両も押収している。
定員39人のバスに60人が乗っていたというのは、やや混雑しているようには感じるが異常なほどではない。この一件は、中国で驚きを持って伝えられている。中国でも日本と同様、ラッシュ時には各都市を走る路線バスがぎゅうぎゅう詰めになることはよくあるが、今まで摘発されたというニュースはほとんどなかった。
記事はこの事件について、「バスにはそれぞれ定員が定められており、合格証にも明記されている。『道路交通安全法』では、定員を超える人数を乗せて走行してはならないと規定されている」とする一方で、国家標準「機動車運行安全技術条件」の最新版では、「都市公共自動車は0.125平方メートルにつき1人(1平方メートル当たり8人)の定員が許される」と定められているとも指摘した。この規定に照らすと定員オーバーではないことになる。
記事は、「路線バスは公共交通機関であり、渋滞緩和に貢献しているという特殊性もある」「交通警察が片っ端から取り締まれば、さらなる渋滞を引き起こす可能性がある」「路線バスが定員オーバーを理由に乗車を拒否すれば、乗客たちからの不満が噴出する」といった事情にも言及。「混雑の問題を根本的に解決せず、ただバス会社やドライバーに責任を追わせるだけでは“濡れ衣”になる」としている。
ちなみに日本では、それ以上乗ると危険であるという「保安定員」と、運行に支障がない範囲の「サービス定員」という考え方があり、近距離の路線バスや鉄道ではこのサービス定員が適用される。かなりの混雑でも、現実的にはサービス定員を超過することはないという。中国でもほとんどの場合は「機動車運行安全技術条件」の方が適用されているはずで、今回の当局による逮捕が異例だったと見るべきだろう。(翻訳・編集/北田)
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