八牧浩行 2016年10月26日(水) 17時40分
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26日、来日中のヤサイ・フィリピン外相が日本記者クラブで会見した。南シナ海での中国との紛争について、「常設仲裁裁判所の評決はこの問題とは直接関係ない」と指摘。当事国のフィリピン・中国双方が平和的に話し合えばいいとの判断を示した。
2016年10月26日、フィリピンのドゥテルテ大統領に同行して来日中のヤサイ同国外相が日本記者クラブで会見した。南シナ海での中国との紛争について、「国連海洋法は領土をめぐる紛争は、当事国2国間の協議により平和的に解決するよう求めており、常設仲裁裁判所の評決はこの問題とは直接関係ない」と指摘。当事国のフィリピン・中国双方が平和的に話し合えばいいとの判断を示した。
その上で、「米比軍事同盟は領土紛争と関係はない。また中国の公船の攻撃を受けているわけでもないので、同盟は意味を持たず、米比合同演習も打ち切る」と強調した。
さらにドゥテルテ大統領の先の訪中について「中国側と両国間の諸問題を平和的に解決し、経済協力を推進していくことで合意した」と説明、「南シナ海の争いは横に置いて時期が来たときに2国間で協議することになった。我々の権利を損なうものでもない」と一時棚上げする方針を明らかにした。
また「大統領の訪中のもう一つの目的は中国との間で信頼醸成を図り、良好な関係をつくることだった」とし、「比中合同演習は中国側の疑念を高め、比中間の平和的協議の妨げになる」と表明した。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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