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台湾の炊飯器が日本で「逆襲」できたワケ―中国メディア

人民網日本語版    2016年9月8日(木) 9時20分

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中国人観光客が日本で、炊飯器を爆買いしている中、日本では台湾製の炊飯器がひそかに人気となっている。

中国人観光客が日本で、炊飯器を爆買いしている中、日本では台湾製の炊飯器がひそかに人気急上昇となっている。(文:徐航明。瞭望東方周刊掲載)

2015年5月、筆者は大阪市内のあるショッピングセンターで台湾商品の展示会が行われているのをたまたま見かけた。そこでは炊飯器が人気となっていた。よく見てみると、その炊飯器は、東芝が1955年に発売した世界初の炊飯器に酷似していた。

50年以上前から台湾で販売されている初期型の炊飯器は、なぜ「炊飯器王国」と呼ばれる日本の市場に進出できたのだろう?

周知の通り、日本人は、おいしいご飯にこだわるため、炊飯器の技術も向上を続け、世界を牽引して来た。東芝が開発した第一号の炊飯器には、「二重釜間接炊き」という技術が採用されていた。二重鍋の外釜にコップ一杯ほどの水を入れ加熱し、沸騰して蒸発すると内釜が間接的に加熱される。外釜の水が蒸発してなくなると、内釜がそれ以上加熱されることはなくなり、釜の余熱で米が炊きあがる。

日本では、戦後の高度経済成長期に、この炊飯器が大人気となった。しかし、しばらくすると、「二重釜間接炊き」に変わって、電気で内釜を直接加熱し、保温もできる炊飯器が登場した。1970年代後半になると、電子工業が急速に発展し、炊飯器の電子化、スマート化も進んだ。そして、IH方式による加熱を採用した機種も登場し、火力が強まり、熱を均等に行き渡らせることができるようになった。さらに、ここ数年は、釜の材質を改良することで、ふっくらとつやのあるお米を炊くことに、スポットが当てられている。

ところが、おもしろいことに、高性能、多機能を長年追求してきた日本で近年、操作が簡単で、健康的な炊き方の炊飯器に、再び注目が集まるようになっている。

台湾メーカー「大同」は1960年から東芝と提携して、台湾で炊飯器の販売を始め、すでに50年以上の歴史がある。台湾の人は、おかゆや煮込んだスープ、肉の煮込み料理や小麦粉を使った蒸し料理が好きであるため、蒸す、煮る、炊くなどの機能を兼ね備え、食べ物のおいしさを保ち、あっさりと仕上げることのできる「二重釜間接炊き」の炊飯器が人気で、高性能の日本の炊飯器は逆に人気にならない。

意外だったのは、最新の技術を誇る日本人が後ろを振り返るかのように台湾の炊飯器に注目し、それで炊いたお米のほうが健康的でおいしいと感じるようになっていることだ。大同は、鉄は熱いうちに打てとばかりに、日本での宣伝と販売を行い、日本人好みのメニューも開発している。

現在、台湾の炊飯器は日本で、一定の地位を築くようになっている。50年以上も前の技術が、そのまま今に至るまで使われ、台湾の人は「保守的だ」と感じるかもしれないが、その背後には真の生活の質を保とうとするこだわりがあり、これまで最新技術の「誘惑」にも負けることはなかった。

これは、熟考するに値する点だ。長年にわたり、誰かのまねをしたり、誰かに学んだり、誰かを追いかけたりしてきたが、今一度視点を変え、まねをするのではなく、自分らしさを固持するようにしてみるのはどうだろう。そのような精神こそが、台湾の炊飯器が日本で「逆襲」できた秘訣なのだ。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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