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1月9日、14年前に山東省博興県で盗まれて海外に流出した後、日本の宗教団体の手に渡って保管されていた南北朝時代の北魏の菩薩像が同省博物館に里帰りした。
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「新華網」が伝えたところによると、2008年1月10日、14年前に山東省博興県で盗まれて海外に流出した後、日本の宗教団体の手に渡って保管されていた南北朝時代の北魏の菩薩像が返還され、同省博物館に戻ってきた。
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報道などによると、この菩薩像は1994年山東省博興県文物管理所から何者かの手によって盗まれた後、海外に流出したもよう。翌95年、日本の宗教団体神慈秀明会が、英国で正規ルートを通して購入。当時の購入価格は200万ドル(約2億2千万円)で、教団系列の博物館に収蔵されていた。
2000年に中国国家文物局と神慈秀明会が話し合い、中国への無償返却が決定。その後、中国側の好意で、2007年まで同会に貸し出しという形で展示が継続していたが、このほど貸し出し期間が終了し、14年ぶりの中国への帰還が実現した。
菩薩像は高さ120.5cm、静かな微笑みをたたえた、細身で優雅な姿の石刻像で、国の一級文化財。山東省文物局由少平(ヨウ・シャオピン)副局長によると、青州(現在の山東省のあたり)とその周辺の仏像の典型的な特徴を具え、青州地区内の仏像の中でも、最も精巧で優美な姿をしている。その芸術的な価値は、洛陽の龍門石窟や大同の雲崗(うんこう)石窟の彫像にも劣らないという。
また、同省文化庁の謝治秀(シエ・ジーシウ)副庁長は、「今回の菩薩像の無償返還は、民間による友好的な話し合いにより実現した。国際法が適用できない盗難文化財の返還案件のよい先例になるはずだ」とコメントしている。(翻訳・編集/高橋)
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