岸田外相の訪中、両国にとって重要=中国経済は「IT型構造改革」が進展、主要国で成長率最高水準―駐日中国公使が会見

八牧浩行    2016年4月28日(木) 4時20分

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27日、駐日中国大使館の何振良・公使(報道官)が在京中国大使館で記者会見し、岸田文雄外相が5月に訪中すると伝えられることについて、「実現すれば外相の訪中は約5年ぶりであり、中日双方にとって重要な出来事となる」と歓迎の意を表明した。

2016年4月27日、駐日中国大使館の何振良・公使(報道官)が在京中国大使館で記者会見し、岸田文雄外相が5月に訪中すると伝えられることについて、「実現すれば外相の訪中は約5年ぶりであり、中日双方にとって重要な出来事となる」と歓迎の意を表明。事務レベルで、会談の相手などスケジュールについて緊密な意見交換が行われている、と指摘した。

また中国経済について、「今年1〜3月期に6.7%のGDP(国内総生産)成長となった。幸先のよいスタートを切ることができた。さらに努力していきたい」と言明。現在の特徴として、次の4点を挙げた。

(1)1〜3月期には安定的な成長を維持し、今年の目標の6.5〜7%の範囲に収まった。この水準は先進国や主要新興国の中でも最も高い水準である。都市部を中心に雇用は引き続き順調で、物価も穏やかに推移している。

(2)消費市場の発展により第3次産業のGDP成長率が7.3%と高い伸びとなり、GDP全体に占める割合も57%に拡大した。

(3)IT(情報通信)イノベーションが進展し、自動車、環境関連、新エネルギー、インターネットと伝統的な製造業の協業などが進んでいる。

(4)すべての指標が順調に推移、(IMF、OECDなど)国際機構も16年に、6.6%以上の高い伸びを予測している。

その上で、何公使は「中国政府は第3次5カ年計画で供給サイドの構造改革に総力を挙げ、中高速の経済成長を実現していくことが可能だ」と強調した。

このほか、「4月の中旬の熊本地震で、被災した方々に心からお見舞い申し上げる」と言明。公使によると、習近平国家主席が天皇陛下に犠牲になった方々への哀悼の意を伝達。李克強首相も安倍首相に書簡を送り、協力・支援を申し入れた。程永華駐日大使は熊本県を訪問、蒲島郁夫知事に、中国系企業などからの義捐金を送った。義捐金は中国大使館が把握しているだけで、既に5200万円以上に達しているという。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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Record China主筆

時事通信社で常務取締役編集局長を務め、ジャーナリストとしての活動歴は40年以上。
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