風力発電所が北京の風速に影響、スモッグ発生の原因に?―中国紙

Record China    2016年1月7日(木) 20時40分

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5日、頻繁にスモッグに見舞われる北京では、「風」が最も歓迎される「来客」になっている。

2016年1月5日、頻繁にスモッグに見舞われる北京では、「風」が最も歓迎される「来客」になっている。手をこまねいて風を待つしかないという冗談もあるが、風が吹かない原因を風力エネルギーの開発のせいとする人もいる。中国科学報が伝えた。

風力エネルギーは、地表上の空気の流動によって生まれるエネルギーを使って発電するクリーンエネルギーの一つで、幅広く普及している再生可能エネルギーの一種だ。人類の風力エネルギーの開発と利用により、生態環境に影響が生じ、地表上の空気の流動が弱まることはあるだろうか?

北京大学物理学院大気・海洋科学部の陶祖[金玉](タオ・ズーユー)教授は、風力発電の風に対する影響は「微々たるもの」とした。

陶教授によると、2カ所の風力発電所間の距離を1キロとした場合、風力発電機のブレードは数メートルのみで、風力発電所の空間全体の1万分の1以下しか占めない。そのため風力発電機が風力発電所の風通しに影響を及ぼしたとしても、それは非常に小さな影響だ。北京の面積は約1万6410平方キロメートルだが、風力発電所をこれほど広い地域に設置したならば、その影響はより微々たるものとなる。

しかし近年、風力が弱まっていると感じる人が増えている。それでは地球上の風は、本当に弱まっているのだろうか?

清華大学地球系統科学研究センターの趙宗慈(ジャオ・ジョンヅー)研究員などの専門家は、中国の過去数十年間の風速の変化の観測、中国の風速の変化をまとめた多くの研究成果によって、中国の地表付近風速(年平均)に低下の傾向があることを発見した。各季節の風速も低下しており、特に冬と春が深刻だ。複数の専門家は、気候システム内の相互作用と反応を、その主因とした。例えば東アジアと南アジアの季節風の弱まり、陸上と海面上の気圧差の低下、過去の変化の蓄積といった要素が、中国の風速の低下を引き起こしている。

人類活動の風速への影響については、都市化、温室効果ガス排出、エアロゾル粒子の排出、土地利用の変化、風力発電所の影響などが研究の焦点となっている。しかし趙研究員は、「現在の人類活動と風速の変化の関係に関する研究には、数多くの異なる意見があり、より権威ある結論を導き出すためにはさらなる研究が必要だ」と指摘した。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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