2015年11月3日、人民網によると、韓国を訪問中の中国の李克強（リー・カーチアン）首相は10月31日、韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領が主催する歓迎夕食会に出席し、「韓国に来るたび、近所の人の家を訪問するのと同じような親しみを覚える」と語った。一般人ですら、友人や親戚の家を訪問する際には手土産を持参するのだから、李首相が手ぶらで訪問するわけがない。中韓両国の指導者は午前中に会談を終えると、午後には両国の協力文書の調印式に出席し、17件の協力文書の調印に立ち会った。

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協力文書は両国の経済貿易、人的・文化、科学技術、環境保護、品質検査などの分野にわたり、▽創業・革新分野の協力▽「メイド・イン・チャイナ2025（中国の今後10年の製造業発展計画）」と韓国の「製造業革新3．0戦略」のマッチング▽第3者市場の協力−−などさまざまな内容が含まれる。これらの協力から国民にどのような実益がもたらされるのか見ていこう。

▽サムゲタン、キムチ、韓国産コメ…食いしん坊に朗報

李首相は韓国訪問前、韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報に寄稿し、「今回の訪韓では、マクロ経済から食卓に上るおかずに至るまで、われわれが注目する議題について話し合う」と指摘した。

この言葉はうそではなかった。1日に韓国の「中国観光年」の閉幕式に出席し、「中国では韓国グルメが人気だ。中国は韓国のサムゲタンを輸入し、キムチの輸入条件を整える」と表明した。このほか、関係当局はコメの輸出入検査検疫に関する覚書、生鮮水産物の輸出入検査検疫協定（改訂版）にも調印した。

中国人は将来、わざわざ韓国まで行かなくても、本場のサムゲタン、おいしい韓国産のコメ、ピリ辛の韓国キムチ、海鮮チヂミを自宅で食べることができるようになる。秋から冬にかけて、滋養を補うのにうってつけだ。

▽消費者権益の保護、中韓自由貿易協定…ショッピングのしすぎに注意

「ダブル11（11月11日）」の激安セールが数日後に迫っている。李首相は訪問先の韓国からショッピング好きに良いニュースを届けるのを忘れていなかった。中韓の消費者権益保護に関する覚書は、「海淘族（海外の通販サイト利用者）」が安心して品物を購入し、使用できるようにするためのものだ。双方はさらに、中韓FTA（自由貿易協定）の枠組み内における貨物貿易に対し、効率的・規範的な税関管理を実施する。

これを受けて、あるメディアは次のように報じている。「（中韓両国の）Eコマースのプラットフォームは築かれ、オンライン決済も可能になり、物流ネットワークも整備された。さらには李首相がクロスボーダーの消費者保護まで整えてくれた。あなたのショッピングカートはまだ空のまま？」。

▽パンダ、1日生活圏、観光年…旅行好きに「ボーナス」

国と国の交わりは国民同士の関係で決まる。現在、中韓の人的往来は年間のべ1000万人を上回り、毎週に約1000便の国際線が両国間を飛び交っている。両国はすでに「1日生活圏」に入った。

中韓FTAの構築と合わせ、経済・貿易・財政・金融協力とマクロ経済政策の協調を強め、日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携（RCEP）交渉を推進することは、李首相の今回の訪韓における重要な内容の1つだ。今年6月、中韓両国はFTAに調印した。中国は中韓FTAの中で、韓国の旅行会社が中国で訪韓客、もしくは第3国を訪問する観光客を募集することを認めることを検討するとしている。

李首相は1日、ソウルで「中国観光年」の閉幕式に出席した際、あいさつの中で「韓国での『中国観光年』の開催はゴールではなく、新たなスタート。来年は『韓国観光年』が中国で開催される。中国政府は多くの中国人が韓国に旅行に訪れるよう奨励する。韓国の皆さんにも中国を訪れ、雄大な景色を堪能してもらいたい」と述べた。

両国の関係部門はこのほか、パンダ保護協力に関する覚書に調印した。韓国・聨合ニュースによると、中国は韓国のテーマパーク「エバーランド」に1対のパンダを貸与することを検討している。もし順調にいけば、韓国の子供たちは来年上半期にもかわいいパンダの赤ちゃんを見ることができるかもしれない。（提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/藤井）