Record China 2015年5月24日(日) 7時30分
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海外に住んで困ることの一つに、急な体調の悪化があるが、韓国のERで思いがけない光景を目の当たりにした。資料写真。
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海外に住んで困ることの一つに、急な体調の悪化がある。特に夜間に病院に行かなければならない状況に陥ることはまれであるため、実際にそういう状況になると慌ててしまう。
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あるとき、夜中に妻の体調が悪くなり、救急車を呼ぶことになったのだが、普段から緊急電話の番号を意識して生活していないために連絡先が思い出せず、マンションの警備室に頼んで呼んでもらった。結局、韓国の救急・消防の電話番号は日本と同じ「119」だった。ちなみに警察は「112」である。電話をかけてもらうと、5分くらいで救急車が到着。そのまま近所の大学病院へ向かい、ER(救急救命室)に入った。中では、ざっと見て数十人の患者が移動式のベッドに寝ており、あちこちで唸り声が聞こえる。韓国では痛いときに口に出して痛みを訴えることが普通だが、ERに運び込まれるような状態なので、声にならない声を発している人が多い。
われわれがERに入ってしばらくすると、重症の患者が運び込まれてきた。病室内はさらに慌しくなった。医師は患者に大声で話しかけていたのだが、その横で注射の準備をしていた看護師の様子に驚いた。看護師は注射器と薬剤を持ってくると、片方の手で薬剤を持ち、もう片方の手で注射器を取り出しながら、なんと針についている保護キャップを口にくわえて引き抜いたのだ。後で日本の看護師に「日本でも緊急の場合は保護キャップを口で外すことがあるのか」と聞いてみたが、「そんなことはしない」という。韓国のパリパリ(韓国語で「早く早く」の意)文化がここにも体現されているのか。
韓国の医療設備自体は日本の病院と大差はない印象だ。CT、MRIなどは大抵設置してあり、ナースステーションや病室の雰囲気も日本の病院と同じだ。ただ一つ違いを感じるのは、病院食にも韓国のソウルフード、キムチが出てくることだ。
■筆者プロフィール:水田尊久
兵庫県出身。2000年に訪韓し、現地企業で勤務した後、2013年に独立。日韓企業協業支援、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動している。
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