日本僑報社 2015年5月2日(土) 11時42分
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日本人が「侵略」についてどのような認識を持っているのかは、中国人にとって非常に興味のあることだろう。浙江林学院の宋さんは自身が接した日本人の先生の両親についてつづっている。
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安倍首相は戦後70年に当たる今年、「安倍談話」を発表する見通しだ。「侵略」と「謝罪」を盛り込むかどうかに、中韓を始め世界中の視線が注がれる。日本人が「侵略」についてどのような認識を持っているのかは、中国人にとって非常に興味のあることだろう。浙江林学院の宋春[女亭]さんは、自身が接した日本人の先生の両親について次のようにつづっている。
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在中日本人のみなさんへ。こんにちは!ようこそ中国へいらっしゃいました。中国での生活はどうでしょう?私たち中国人のことをどう思いますか?中国に滞在されている間、苦しい立場に置かれたことがありますか?例えば、「日本人は中国を侵略したことをどう思いますか?」と聞かれたことがありませんか?
先日、私の日本人の先生のご両親が中国にいらっしゃいました。お母さまは世界史の教師をされていらっしゃいます。お父さまも同じく歴史の先生をされているそうです。光栄の至りで、一緒にお食事をすることができました。お母さまは親切で優しい日本の伝統的なタイプの女性でした。お父さまも明るくて優しい方です。お母さまは食事中、自らすすんで中国語の歌を歌ってくださいました。その真心の込もった純粋な目に、私は心を打たれました。
食事が楽しく進んでいたところ、誰かの口から国と国の関係についての話が飛び出しました。私は胸の中で、あることを心配しました。そして、話の流れはついに私が案じた通り、日中関係にまで行き着きました。お母さまは、お上手な中国語で「日本がかつて中国を侵略したことを本当に申し訳なく思っています」とおっしゃいました。その一言はその場にいた私たち中国人の心を強く打ちました。
「侵略」という言葉は、確かに両国の人たちに複雑な感情を生じさせます。たぶん私たち両国の国民だけがこの気持ちを理解できるのかもしれません。普段、日本人と話すとき、私たち中国人はこういう敏感な話題はあまり口に出さないことにしています。なぜかというと、言い出すと日本の友人を傷つけてしまうのではないかと心配しているからです。かつて日本が中国を侵略したのは日本の一般の国民のせいではなく、軍国主義・帝国主義のせいだと私は思います。
戦争は怖くて残酷非道なことです。戦争ではどんな問題も解決できません。世の中で一番力を持っているものは愛です。愛は清らかな水の流れのように人の心に注ぎ暖めてくれます。そして他人への憎悪を解かしてくれます。歴史は記憶するべきですが、相手への恨みを固く持ち続けるだけでは自国にとっても大きな損失をもたらすのではないでしょうか。誠意を持って友好と交流を進めることが、日中両国にとって最も大切なことです。
先生のご両親の笑顔は私たちの心に深く残っていて忘れられません。同様に、あなたもきっと誰か中国人の心に深く残って忘れられない存在になっていることでしょう。みなさんの中国での経験が、一生のいい思い出になるよう心から祈っております。(編集/北田)
※本文は、第五回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国への日本人の貢献」(段躍中編、日本僑報社、2010年)より、宋春[女亭]さん(浙江林学院)の作品「在中日本人および日本人旅行者への手紙」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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