日本は人口減少と巨額財政赤字対策に全力を=外国人労働者活用、消費税20%など提言―OECD対日審査

八牧浩行    2015年4月15日(水) 16時40分

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15日、OECDのグリア事務総長は、日本記者クラブで記者会見し、対日審査報告書を発表。日本政府は抜本的な構造改革の早期実現や消費税率の20%程度への段階的引き上げを図る必要があると強調した。

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2015年4月15日、経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長は、日本記者クラブで記者会見し、OECDの対日審査報告書(2015年版)を発表した。大規模緩和を柱とした日銀の金融政策は、デフレ脱却マインドの醸成など「ポジティブな効果を挙げた」と評価しながらも、「日本の潜在成長率は、人口減少と生産性上昇の弱さにより、急速に低下している」と指摘。財政健全化と経済成長率アップのため、日本政府は抜本的な構造改革の早期実現や消費税率(現行8%)の20%程度への段階的引き上げを図る必要があると強調した。

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OECD対日報告書とグリア事務総長発言の要旨は次の通り。

日本の実質GDP(国内総生産)の前年比伸び率は2015年1.0%、16年1.4%にとどまる。生産性を高めるため以下の政策を推進する必要がある。

(1)労働力の減少傾向を遅らせること=女性、高齢者、外国人労働者などを活用すべきである。正規雇用と非正規雇用に2分化されている労働市場を是正し格差解消する。

(2)TPP(環太平洋パートナーシップ協定)や日EU経済連携協定をはじめとするハイレベルな貿易協定に参加すること。

(3)ビジネス環境を改善すること=再生可能な企業の事業再編を支援し、存続不可能な企業の退出を促すためにも政府による中小企業への支援を削減する。

(4)抜本的な財政再建=日本の政府総債務残高(財政赤字)はGDPの2.3倍とOECD諸国で最悪で未知のレベルであり、増税と歳出抑制が不可欠。消費増税をOECD諸国の平均である20%へ、段階的に引き上げるべきだ。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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