Record China 2015年3月21日(土) 0時10分
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19日、中国のオリジナルアニメ映画「1万年以後」のマスコミ試写会が開催され、業界関係者から「今年1番の神作」という称賛の声が次々と上がっている。
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2015年3月19日、中国のオリジナルアニメ映画「1万年以後」のマスコミ試写会が開催され、業界関係者から「今年1番の神作」という称賛の声が次々と上がっている。暴力美学が満載で、脳内補完をフル回転させられる映画とも称されている本作は、27日に中国全土で公開される。新京報が伝えた。
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3DSFアクションアニメ映画「1万年以後」で描かれる舞台は、タイトル通り、今から1万年以降の地球だ。環境の悪化にともない資源が枯渇していく中、人類文明は壊滅的な被害を受け、地球上には新しく生まれた種族や部落が繁殖していた。ある日、鳥族部落の首領が「上古時代の魔術」を盗み取ることに成功する。その後世界の覇権を奪おうと目論み、魔術を使って地球を邪悪な力が蔓延する上古元年に戻そうとする。これに対し、女性ヒロインの珠瑪と各部族の勇士たちは一丸となって戦いを挑む。あらゆる部族たちが力を合わせる中、正と邪の力による地球を守るための最終決戦が繰り広げられる。
易立(イー・リー)監督は、「物語自体は非常にシンプルだが、映像には絶えずSFやホラー、アクション、暗黒などの要素が盛り込まれているため、制作には7年もの時間を要した」と語る。この7年の間に、文字による脚本だけで40回以上修正された。最終的に、中国古代の神話「天女散花」をモチーフとしたごくシンプルな物語は、異なる8つの種族が共に邪悪な力と戦う「中国スーパーヒーロー連合軍」の戦いの物語へと変貌した。
■CGのクオリティーに称賛が集まる
大げさでなく、「1万年以後」のCGの質は中国アニメ映画の中でもトップクラスと言える。物語やキャラクターはハリウッドの西洋の影響が見られるが、CG全体のクオリティーはこれまでの他国のコピー映画のような中国国産アニメとは一線を画している。
ただし、世界観については、実のところクライマックスの戦闘シーンで、高いビルが古城の上に倒れ落ちるシーンでは、クリストファー・ノーラン監督作「インセプション」(2010)の圧迫感を彷彿させるほか、刀が観客に向かってくる3Dの視覚効果も既視感を覚えた。
映画以外にも売りはある。「1万年以後」の予告編は世界で初めてVR(バーチャルリアリティー)ヘルメットを媒体とした3D全方位パノラマで制作された。北京で行われたプレミア試写会では、会場で観客300人以上がVR3Dメガネをかけて、7000時間を使って作った3分間の予告を体験し、その不思議な感覚に口々に「なにこれ?」と大きな声をあげた。中国国産映画はこの瞬間からバーチャルリアリティーの時代に突入した。
■これまでの国産映画では見られない暴力的な映像とキャラクター
映画の冒頭に登場する、神の遺跡を探索する人々が仕掛けられた罠で次々と殺されていくシーンは不意を突かれて驚愕させられるだけでなく、ハリウッド映画「ファイナル・デスティネーション」シリーズのように血なまぐさく暴力的だ。中国映画ではこういった暴力的な映像は非常に珍しく、現在はアニメ映画でしか用いられていない。
まるでクリーチャーのような異様なキャラクター設定は言うまでもない。劇中では、人が人を食べたり、人が人を切り裂いたりするシーンが続出し、最後には麻痺して何も感じなくなってしまうほどだ。このような視覚上の暴力的かつ狂乱的な描写は中国映画としては非常に先駆的な作品と言える。また、エンディングで描かれる大規模な侵入シーンや正邪・善悪がはっきりしない世界観は未成年者にとってはあまり好ましくないタブーでもある。劇中に溢れる暴力的なシーンが心配されることから、制作側は自主的に同映画に「18歳以下は鑑賞禁止」という字幕を入れている。このような自主性は制作側の未成年者に対する保護意識であるとともに、映画の質に対する極めて大きな自信の表れでもある。
■100%の純中国産アニメ映画
「1万年以後」の最大の売りは、他の作品とは明らかに異なるところだ。撮影方法、ストーリー・テリングの手法、物語の視点、視覚効果などすべての面がこれまでの映画では見られなかったものだ。どれも似たり寄ったりの中国映画市場の中で、「1万年以後」のキャラクターは思考や行動、風貌、どれをとっても独特だ。
同映画の中国初のプレミア試写会が終わった後、ほとんどの観客から作品を称賛する声があがった。特に、監督の奇想天外な想像力に対して称賛が集まった。易立監督は、自信満々の表情で、「中国人は自信を持たなければならない。映画『1万年以後』は外国人の力を一切借りずに100%自分たちの力で作った。映像のあらゆるCGや風景もすべて中国人自身の手から生み出されたものだ」と語った。
一方、称賛の声のほかにも、「暴力的で血なまぐさい映像や過剰なまでの世界観の逆転など、せいぜい『風変わりな映画』としか言いようがない」という声もある。この作品が神作なのか?単に風変わりな映画なのか?すべては、公開後に観客の判断に委ねられる。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)
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