ベイマックスの大ヒットが中国アニメに与える教訓―中国メディア

Record China    2015年3月21日(土) 12時50分

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19日、米ディズニーが制作・配給するアニメ映画「ベイマックス」の世界興行収入がこのほど、6億2000万ドル(約747億3000万円)に到達した。

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2015年3月19日、米ディズニーが制作・配給するアニメ映画「ベイマックス」の世界興行収入がこのほど、6億2000万ドル(約747億3000万円)に到達。2014年に封切られたアニメ作品としては「ヒックとドラゴン2」の6億1900万ドル(約746億1000万円)を抜いて1位となった。記録的なヒットを牽引するのは、主役のケアロボット・ベイマックスだ。この癒し系ロボットの人気は、中国のアニメ映画にどのような教訓を与えているのだろう。

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南京暁庄学院新聞伝播学院の教師、袁洲(ユエン・ジョウ)氏は、「ジャンル映画という観点から見ると、『ベイマックス』が特別な記録を作ったわけではない。しかし、毎年のように大人気となるキャラクターが生み出されていることは注目に値する。例えば、『ヒックとドラゴン2』のナイト・フューリーや『アナと雪の女王』のオラフなど。今年は『ベイマックス』が大ヒットし、人々が温かい癒し系を求めるようになっている」と分析している。

袁洲氏によると、ハリウッド映画が生む関連商品も大きな商機を創出する。「萌える」という理由だけで、ベイマックスは世界中で大ヒットしており、その関連商品も世界中で売れている。これはハリウッドの商業映画が使う常套手段だ。中国のショッピングサイト・淘宝網で「ベイマックス」と入力してみると、カー用品や人形、服、ソファー、水筒、照明器具、フラッシュメモリなど、1000件以上の商品がヒットした。

多くの映画評論家は、「ベイマックス」に、ハリウッド大作にありがちな目を奪う特殊技術の要素を感じることはなく、素朴な人間性を感じると評価している。しかし、実際には、同作品にも浮遊技術やレーザーカッター、サーボモーターロボットなど、ハイテクの要素が数々登場する。視覚効果という観点から見ても、同作品には想像力をかきたてる要素や華麗な効果が詰まっている。しかし、それとは対照的に、ベイマックスはいたってシンプルなイメージ。体も簡単な線で描かれ、顔は黒丸の目二つが黒い口の線で結ばれているだけ。そして、ペンギンのようにノロノロ歩く。ベイマックスの本当の魅力は、相手の心を癒すために一生懸命尽くすその純粋で善良な性格だ。

南京市の映画評論家、舒克(シュウ・カー)氏は、「つまりハイテクも万能ではないということ。映画は、技術と芸術の融合であるべき。中国のアニメ映画も、派手な画面だけを追い求めるという間違いを犯してはならない。実際には、目を奪うシーンよりも、感情性に富んでいるほうが、人を感動させる。ベイマックスの大ヒットは、中国のアニメ映画が教訓を得る機会。実際には、技術の面では、中国も引けを取らない。しかし、キャラクター作りやストーリーの構造などの点ではまだまだ進歩が必要。これが、我々が奮闘すべき課題」と指摘している。

江蘇省新聞出版局でアニメの管理をしている朱●(ジュウ・シン、●は金が3つ)氏も取材に対して、「ベイマックスは中国のアニメに、技術がどれほど優れていても、本当に心を打つのは、素朴な愛や人の心に直接働きかける感情的な要素であるということをはっきり教えてくれている。そのため、子供のご機嫌取りをすることを考えるのではなく、教訓的なストーリーを考え出すことを覚えなければならない。そのようにして初めて、中国のアニメは成長する。江蘇省は近年、海外アニメ映画のアウトソーシング拠点となっており、優秀な作品も生み出してきた。しかし、その影響力を持つ中国オリジナル作品は非常に少ない。今回、ベイマックスが世界中で大ヒットし、たとえそれがロボットであったとしても、本当に心を打つ要素がなければ、観衆を獲得することはできないということを、あらためて感じることができた」と語っている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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