日本企業の相次ぐ撤退は、中国テレビ産業への警告―中国紙

Record China    2015年2月13日(金) 18時58分

拡大

11日、日本の電子メーカーの一部が経営にかかる圧力や業界の先行きの見通しが暗いことなどを理由として、テレビ産業からの撤退を進めたり、撤退を検討したりしている。資料写真。

(1 / 2 枚)

2015年2月11日、日本の電子メーカーの一部が経営にかかる圧力や業界の先行きの見通しが暗いことなどを理由として、テレビ産業からの撤退を進めたり、撤退を検討したりしている。経済参考報が伝えた。

その他の写真

パナソニックはこのほど中国におけるテレビ製造事業を終了し、今後は他社ブランド製造(OEM)方式に切り替えて販売を行うことを決定した。今月3日に伝えられたところによると、東芝はテレビの製造終了をすでに決定しており、かつて「液晶テレビの父」などと呼ばれたシャープもテレビ事業の縮小を検討中だ。実際、ソニーが努力して現状を維持しているほかは、日本のテレビ大手はここ数年間、海外テレビ市場で日に日に勢いを失っている。

多くのアナリストが、「日本企業の撤退は中国テレビ産業にとって大きな好材料だ。2015年は中国テレビメーカーの海外進出・海外発展にとって重要な年になる」との見方を示す。

だが異なる見方をする業界関係者もいる。家電産業専門家の羅清啓(ルオ・チンチー)は、「日本企業のテレビ産業からの撤退は、新エネルギー産業、医療設備、交通といった資金面と技術面のハードルの高いビジネス分野へのモデル転換にほかならない」との見方を示す。

パナソニックを例に取ると、ここ数年は中国市場での位置づけの切り替えに取り組み、中国に対する見方を「世界の工場」から「巨大な成長市場」へと改め、戦略モデルの転換をスタートさせた。パナソニックの津賀一宏代表取締役社長はさきに、「パナソニックは今後、家電から住宅、美容健康、航空、小売、自動車、公共などの分野へと徐々に手を広げ、中国のスマートシティプロジェクトに照準を合わせていく」と述べた。

よってテレビ事業の縮小を日本企業の勝敗を論じる根拠としてはならない。企業というものは適切な時期に製品構造を調整し、利益が薄く競争が激しい事業を切り離し、時流にあった新しい産業で資源を運用するものだ。競争上の強みを失った分野で日本が退場を選択することは、賢明な策だといえる。

中国家用電器商業協会営業販売委員会の洪仕[文武](ホン・シービン)執行会長は、「日本企業の大規模撤退は実際には中国テレビ産業に対する警告だ。つまり、テレビという製品が徐々に消滅しようとしていることを意味する。これは大げさな話ではない。携帯電話、タブレットコンピューター、コンピューターなどのスマート端末の発展により、テレビは徐々に人気を失っている」と指摘する。

実際、テレビメーカーは今もなお、逃れたい束縛から自由になることができずにいる。各メーカーの製品は基本的には大同小異で、競争相手との区別が難しい。伝送技術の変化(NTSCからハイビジョン、ハイビジョンから4Kへの変化など)やディスプレー技術の変化(LCDテレビからLEDテレビへの変化など)が、さまざまなイノベーションをもたらしたが、新しい技術が普及して、画質にそれほど大きな違いがなくなれば、テレビは単なる商品となる。するとテレビメーカーは値下げ以外に消費者を引きつける方法がなくなる。

洪執行会長は、「本当の危機は今ある『テレビという形態』が消滅してしまうこと、これに取って変わるのがどこにでもある壁だということだ」と話す。羅清啓は、「クラウドコンピューティングやビッグデータなどの新技術に後押しされて、汎テレビ時代がまもなくやって来る。中国テレビメーカーが日本企業の撤退によって残された巨大市場を喜ぶばかりで、テレビが没落しつつある産業だということを認識しなければ、淘汰されるのは時間の問題だといえる」と話す。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携