中国のカメラマン、周万青（ジョウ・ワンチン）が、雄大な山と美しい草原の風景が広がる新疆ウイグル自治区の村を紹介する。

瓊庫什台村は、新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州、天山山脈の奥深くにある村だ。そこに向けて車で出発すると、まるで流れる絵画展に足を踏み入れたような道が続く。窓の外には山々が連なり、S字やZ字に曲がる道は大自然が無造作に描いた曲線のようだ。草原には馬や牛、羊が自由に散らばり、遠くにそびえる真っ白な雪山、深緑色の木々、白いテント型の家、そして青い空と相まって壮麗で調和の取れた田園風景を織り成している。

村の人々は今でも素朴で純粋な遊牧生活を営んでおり、村に入ると過去にタイムスリップしたような感覚になる。朝になると太陽の光が草原を照らし、人々は馬に乗って羊の放牧を行う。1日の仕事の始まりだ。夕方に残照と共にキノコを採ったり、水を汲んだりする人々には満ち足りた笑みが浮かぶ。これらは平凡な日常のように見えるが、そこには生活の詩的な情景と温もりがあふれている。（翻訳・編集/野谷）

●周万青（ジョウ・ワンチン）

海南省海口市生まれ。大学では歴史を専攻。旅行が好きで、記念によく撮影している。撮影した写真の1枚1枚が美しい思い出だ。