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最もよく人を幸福にする人が最もよく幸福となる―父・立石一真の名言

立石信雄(たていし・のぶお)
配信日時:2017年7月16日 10時10分
  • 最もよく人を幸福にする人が最もよく幸福となる―父・立石一真の名言

技術先行型企業を目指した立石電機を、オートメーション機器から情報システムメーカー「オムロン」へと飛躍させた父・立石一真は、創業50周年を迎えた1983年の年頭、「大企業の仲間入りをした立石電機は、大企業病にかかっている。意識革命に徹し、創業の精神に還り、徹底的分権により中小企業的な組織と簡潔な制度で活性化を図ることこそ、五十周年にふさわしい大仕事である。全員でこれに挑戦してほしい」と指示した。これを受け立石電機では、全社あげて大企業病の一掃をテーマに、次なる半世紀への挑戦に向かった。

父は多くの「言葉」を残した。以下は今でも折に触れ噛みしめている。

◆「最もよく人を幸福(しあわせ)にする人が最もよく幸福となる」。

人間は誰でも幸福になる権利があるが、人を押しのけたり、足を引っ張ったりして自分だけ幸福になろうとしても、決して幸福にはなれない。人に幸せを与えることで、自分に幸せが戻ってくるものである。この言葉は神社本庁の「命の言葉」に選出された。

◆「人からどう言われようと自分自身の価値は変わらない」

人に褒められて有頂天になり、人にくさされて憂うつになるなんておよそナンセンス。なぜなら、そんなことくらいで自分白身の価値が変わるものではないからだ。

◆「改善の余地があるならば、まずやってみる」

父は国産初のマイクロスイッチの開発に関して、「世の中Badと決めつけるのはたやすい。しかしNeed Improvement(改善の余地あり)でなければ、創造の将来はない。“まずやってみる”が我々が築き上げてきた企業文化なのだ」という言葉を残した。

◆「企業は生き物で、いつも変化しているので、経営者は常にそれを見守って組織の修正を早手回しにすべきだ」

先手必勝の考え方で、厳しい課題や問題を先送りしがちな風潮の中で今なお生きている警鐘と思う。

◆「大企業病を克服すべきだ」

父は『大企業病』の名付け親となりこの語は日用語化した。大企業病克服のために「起業家精神の復活」の必要性を説いた。

これらはまさに現代に通じる「経営名言」だと思う。

企業は自らの使命を再確認し、今後の事業の中核となるコアコンピタンスを再確立するとともに、それに向けて分権化、分社化、M&A(企業の合併・買収)などあらゆる戦略・手法を駆使して自らの企業構透の再構築を推進することである。
 
さらに、企業の透明性と情報公開の向上が求められる。企業は、市場で正しく評価してもらうため、株主へのアカウンタビリティー(説明責任)と、国際会計基準などに準拠した情報開示や、IR(投資家向け広報)活動の充実、さらに一般向け情報公開としてのディスクロージャーの充実を図るべきである。

企業として自らの企業使命とその実現のためのコーポレートーガバナンス原則を明確化し、経営トップから社員まで共有化するとともに、その情報を市場や社会にアピールし、ヒト・モノ・カネ・技術・情報などあらゆる資源調達とその効率的な運用を促進し、経営のパフォーマンスを向上していくこと、それが今後の企業統治のポイントであると言えよう。

オムロンも、多くのユーザーのご愛顧をいただいたことに加え、よき後継者と有能な社員に恵まれ、全社員が創業の理念を正しく継承してくれ、ガバナンスの効いたCSR(企業の社会的責任)にも積極的に取り組む会社という評価を得て、成長し続けてくれていることは、大変にうれしい。時折、今は亡き父、若くして苦しい時のみを経験した、今は亡き生みの母、育ての母にこの会社の姿を見せてあげたいと思う。そして立石電機・オムロントップとして奮闘中に急逝し、今年の11月22日に23回忌を迎える長兄・孝雄の墓前に今日の繁栄を報告したい。(父・立石一真の思い出=完)

■立石信雄(たていし・のぶお)
1936年大阪府生まれ。1959年同志社大学卒業後、立石電機販売に入社。1962年米国コロンビア大学大学院に留学。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員会委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長、財務省・財政制度等審議会委員等歴任。北京大学日本研究センター顧問、南開大学(天津)顧問教授、中山大学(広州)華南大学日本研究所顧問、上海交通大学顧問教授、復旦大学顧問教授。中国の20以上の国家重点大学で講演している。

※掲載している内容はコラムニスト個人の見解であり、弊社の立場や意見を代表するものではありません。

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