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12日、中国のポータルサイト・捜狐にアニメ「ワンパンマン」が「神作」から「笑いもの」へと転落した原因について考察した記事が掲載された。
2025年11月12日、中国のポータルサイト・捜狐にアニメ「ワンパンマン」が「神作」から「笑いもの」へと転落した原因について考察した記事が掲載された。
記事はまず、「6年の歳月を経て、ついにファン待望のアニメ『ワンパンマン』第3期が放送された。しかし、SNSを席巻したのは称賛ではなく作画崩壊シーンだった。まるで古いFlashアニメのような映像に国内外のファンが嘆き、制作会社J.C.STAFFへの批判が殺到した。かつては『神作』とまで称えられた『ワンパンマン』が、今では『安っぽいアニメ』と笑われるようになったのは、果たして制作陣の怠慢だけが原因なのだろうか?」と問いかけた。
続けて、「『ワンパンマン』はもともと、原作者のONE氏が個人サイトで趣味として連載していた練習作品で、絶対的な戦闘力を持つ男・サイタマがヒーローとして活動する物語だ。独特の作風とユーモア、そして前向きなメッセージ性で人気を集めていたが、その画力の粗さも有名だった。そこへ『アイシールド21』で知られる作画の名手・村田雄介氏が声をかけ、リメーク版の連載が始まると、作品の人気は一気に加速した」と説明した。
また、「15年に放送されたアニメ『ワンパンマン』第1期は制作会社マッドハウスが担当した。一流アニメーターが集結し、業界屈指の映像クオリティーを誇った。爽快で迫力ある戦闘シーンは多くの視聴者を魅了し、放送開始後には瞬く間に国内外で大ヒット。中国のアニメ関連サイト・Bangumi、ドラマ・映画口コミサイトの豆瓣(douban)、米国のアニメ関連サイト・MyAnimeListなどで高評価を獲得した」と述べた。
しかし、「19年の第2期で制作会社がJ.C.STAFFに変更され、スタッフも大幅に入れ替わると制作レベルは急落。当時は『平均的な出来』と受け止められていたが、6年後の第3期は期待を裏切るものとなった。静止画や使い回しカットが目立ち、ファンの怒りは爆発。永居慎平監督は誹謗(ひぼう)中傷の末にネット上から姿を消す事態にまで発展した」とした。
一方で、「『J.C.STAFFは下請けであり、多作品を同時進行する体制に問題がある』と擁護する声もあった。実際、同社は『デート・ア・ライブ DATE A LIVEⅢ』『とある魔術の禁書目録III』などでも多忙による品質低下を経験し、今年10月時点でも3作品を同時に抱えている。制作の質低下やリソース不足は『ワンパンマン』第3期が制作側の計画で優先度の低い案件だったことを示している」と言及した。
さらに、「この背景には日本アニメの商業化構造の変化がある。アニメはもはや単なる創作物ではなく、IP(知的財産)展開の一部として機能している。初期のアニメ化は『高コストな広告』のようなもので、作品の知名度を広げる役割を担っていた。だが人気作品として成熟すると『定期的な維持装置』へと変わり、コストを抑えつつ話題を継続させる投資対象となる。そのため、続編ほど制作費が削られる傾向が強い」と論じた。
加えて、「実際、『ワンパンマン』の10周年企画には、アニメ続編、音楽イベント、新作グッズ、記念展など10項目の大型プロジェクトが予定されており、アニメ単体の完成度よりも全体的な商業展開を重視する姿勢が明確だ。一方で、『葬送のフリーレン』『SPY×FAMILY』『ダンダダン』といった新興作品は、グローバル配信の追い風を受け、高クオリティーで制作・配信されている」と強調した。
そして、「出資側が求めるのは『投資対効果』だが、ファンが求めるのは『作品への誠実さ』だ。この価値観のズレが商業アニメにおける最大のジレンマとなっている。ファンは不満を口にしながらも放送を見続け、グッズを買い、作品を支え続ける。『ワンパンマン』の転落は、アニメ制作の現実とファンの情熱、その間に横たわる越え難い矛盾を象徴しているのだ」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)
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