拡大
中国日系企業の商標保有数ランキングで増加数1位は日本ペイントだった。写真は北京。
(1 / 5 枚)
法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスターの連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢(リスクモンスターチャイナ)は利墨リスモン調べ「第2回中国日系企業の商標保有数ランキング」を発表した。
【その他の写真】
「利墨リスモン調べ」はリスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に調査・分析したレポート。今回は4月時点で開示されていた中国全土の法人登記情報および8月時点の商標情報から、日本企業が出資する中国企業とグループ企業2万7148社を対象に調査した。
2024年8月に発表した前回調査(23年3月時点の法人登記情報、24年7月時点の商標情報)から1年以上が経過し、AI(人工知能)技術の普及や米国による対中制裁などを背景に、中国での事業環境の変化がみられた。これらを踏まえ、中国日系企業における商標保有数の実態を把握するために調査を実施した。
調査の結果、2830社(日系企業の10.4%)が合計3万1858件の商標を保有しており、前回(2870社、3万832件)より1026件増とわずかに増加した。
業種別にみると、上位10業種に大きな変化はなかったものの、順位の入れ替えが見られた。(表1)
「卸売業」、「自動車製造業」は順位を維持し、前回3位の「ビジネスサービス業」と4位の「化学原料・化学製品製造業」が順位を入れ替える結果となった。また、「科学技術の普及・応用サービス業」(1183件)は前回(911件)より29.9%増加し、順位を10位から8位に上げた。

日本親会社別の商標保有数ランキング10社は、前回調査と同じ企業が9社を占め、小幅な順位変動が見られた。
中でも、「立邦塗料(中国)有限公司」(親会社「日本ペイントホールディングス株式会社」)が商標件数を大幅に伸ばした。(表2)

また、実際に商標登録時に選択するニース国際分類においても、同社の取扱商品が多く分類されるであろう「第2類 工業や美術用の顔料、着色剤、防腐製品」が前回調査(388件)よりも624件増加しており、ランク外から10位に順位を上げた。(表3)

15年から24年までの10年間における商標出願件数の推移を調査したところ、21年まで一貫して増加傾向が続いたものの、同年をピークに減少に転じ、24年には年間2000件を下回った。
この推移から、日系企業による中国市場での新規事業展開やブランド戦略の勢いが一服している可能性がうかがえる。

商標の有効期間は10年で、中国では満期を迎えた商標の継続更新率が50%未満にとどまっている。ブランド資産を維持するためには戦略的な知的財産投資の継続が求められる。
今回の調査では、商標総件数自体はわずかに増加したものの、商標を保有する日系企業数は減少しており、新製品・新サービスを展開する企業に出願が集中する傾向が見られた。
商標保有件数は、企業の製品開発力や収益性、ブランド戦略を読み解く指標として、取引先評価や市場分析において、財務情報や販売実績と並ぶ重要な意思決定材料になる。
Record Korea
2025/5/22
Record China
2025/10/29
Record Korea
2025/4/2
人民網日本語版
2025/9/23
Record China
2025/9/22
Record China
2025/8/19