今年の春は、中国の多くの地域で、その土地の自然環境に合わせたさまざまなフラワーヘルスケア・リラクゼーション経済が発展している。生花を使ったパイ菓子を味わい、花風呂を楽しむといった多様なアクティビティーが登場している。中央テレビ網が伝えた。

雲南省では、花は観賞用だけでなく、さまざまなグルメ作りにも使われている。楚雄イ族自治州姚安県にある広大な食用バラ栽培拠点では、観光客が体験工房でパティシエのレクチャーを受けながらバラ入りのパイ菓子作りを体験できる。

ボタンの花は昔から「健康の花」と呼ばれている。同省の保山市では、見た目も味もよくヘルシーなボタンのコース料理を新たに打ち出し、花を用いたヘルスケアの理念をグルメと融合させた。ボタンの花入り茶碗蒸しが特に人気で、新鮮な卵の甘みと花の香りがマッチし、口に入れた瞬間、不思議なおいしさが味蕾を刺激する。

同省麗江市にある拉市鎮では、「花見経済」を現地のナシ族の文化、農耕と読書を共に重視する耕読文化、故郷への憧れや懐かしさを表現する郷愁文化と融合させ、乗馬・バードウォッチング、花見ハイキング、エコ・ヘルスケア、果物狩り、赤色探究学習（革命縁の地を巡り学習すること）などさまざまなプログラムを一体化した拉市鎮ディープツアーを展開している。

同省紅河州弥勒市の太平湖森林公園では、花が満開になるにつれ、花のセラピストが草花の美しさを伝える活動を始めている。セラピストは一定の生け花の知識と審美眼を備えているだけでなく、心理学の関連知識もあり、心と体が健康になる体験を提供している。

雲南には3000種類を超える観賞用植物があり、全国の観賞用植物の半分を占める。気温が上がって暖かくなるにつれ、省内には春の花が咲き乱れ、観光客が続々と押し寄せ、「花見＋リラクゼーション」の勢いが上昇を続けている。

中国花卉協会の最新のデータによると、北から南、東から西まで、多種多様な花が生み出す「フラワー経済」は今や1000億元（約2兆円）の市場規模を形成している。（提供/人民網日本語版・編集/KS）