拡大
4日、鳳凰WEEKLYは韓国の弾劾裁判所が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の罷免を決定したことを報じ、その背景や今後の情勢について論じた長編記事を掲載した。
2025年4月4日、鳳凰WEEKLYは韓国の弾劾裁判所が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の罷免を決定したことを報じ、その背景や今後の情勢について論じた長編記事を掲載した。
記事は、韓国憲法裁判所で4日午前、尹大統領弾劾訴追案に対し8人の裁判官全員が「大統領は憲法と法律に重大な違反を犯した」と判断し、大統領罷免を宣告したと紹介。これにより尹大統領は、朴槿恵(パク・クネ)元大統領に続き任期5年を全うできずに弾劾により失職した2人目の大統領になり、今後60日以内に次期大統領選挙を実施することになったと伝えた。
また、憲法裁判所が弾劾理由について、昨年12月に発動した緊急戒厳令が違憲であること、軍や警察を国会に動員し政治家を逮捕したこと、さらに選挙管理委員会の不正捜査などを挙げ、「大統領の憲法遵守義務に違反し、国民の信頼を裏切る重大な行為」と判断したことを紹介したほか、罷免によって大統領としての不訴追特権を失い、今後内乱罪や職権乱用罪など複数の容疑で起訴される可能性があるなど、厳しい法的責任の追及に直面することになると指摘した。
その上で、弾劾裁判に対する国民の注目度は非常に高く、韓国メディアはこの1カ月間毎日のように4月4日を「運命の日」と報じ続けてきたほか、傍聴者の定員20人に対して9万6000人の申請があり、倍率が4818倍という記録的な数字になったことを紹介。4日未明からは韓国警察が最高レベルの厳戒態勢に入り、全国に338隊の機動隊、計2万人以上の警察官を配備して警備に当たるなど物々しい光景になったことを伝えている。
さらに、尹大統領の罷免を巡る弾劾裁判の審理について、昨年12月14日の国会による弾劾訴追議決から始まり実に111日続いたことにも言及し、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の63日間、朴元大統領の91日間を大きく上回る超異例の長さになったと指摘。2月25日の最終弁論から始まった裁判官の審議も今月2日まで38日間続き、こちらも韓国憲政史上最長記録を更新する長さになったとした。そして、審理や審議が長引いたことについて、保守、革新などそれぞれ異なる政治的立場をもつ8人の裁判官が最終的に全員一致で可決するために時間を要したとの見方が出ており、そこからは与野党間の対立、社会における分断の深刻さがうかがえることを伝えた。
記事は、弾劾結果発表後に尹大統領の支持者と反対者の間で激しい衝突が発生し、警察車両が破壊されるなどの暴力行為が見られたことを報じた上で、弾劾裁判を通じて韓国社会の分断が一層進んだことについても詳しく分析。週末になると尹大統領の支持者、非支持者がそれぞれ大規模な抗議活動や弾劾支持運動を展開、韓国社会では街頭での政治活動が日常化していったことにより社会の統合はますます遠のく状況になったと論じている。また、2018年以降深まり続けている社会の分断は、貧富の差などの経済的な対立よりも、政治的な陣営対立が拍車をかけているとも指摘した。
大統領の罷免が成立したことにより、韓国は60日以内に新たな大統領の選挙を行われることになる。記事は、6月3日までに実施される大統領選を「血戦」と表現し、すでに韓国の与野党内では党内の団結強化を図る動きが見られていることを最後に紹介している。
記事は、最新の世論調査では野党による政権交代を望む声が51%に達し、与党政権維持を望む声を上回っていると伝え、最大野党である共に民主党では派閥を超えた協力が進み、人気の高い李在明(イ・ジェミョン)党首を大統領候補に据えた選挙活動を早々に行っていると紹介。一方、是が非でも政権を守りたい与党「国民の力」は候補の一本化作業に向けた模索が続く段階にあり、金文洙(キム・ムンス)らを軸に複数の「候補の候補」が挙がっていると指摘。派閥争いを乗り越えて早急に大統領候補を擁立する必要があるとした。
また、現在の二大政党制に対する国民の疲れも深刻化しており、第三勢力が台頭する可能性も指摘されているものの、現状では両党の牙城を打ち崩せるほどの力を持つには至らないとの意見もあると紹介。とは言え、帝王型大統領制や朝野対立の繰り返しで民主的な改革が一向に進まない状況に国民が辟易しているのは事実であり、いずれの政党が政権を握ったとしても制度的な改革は避けて通れないとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)
Record China
2025/4/4
Record China
2025/4/4
Record China
2025/4/4
Record China
2025/4/4
Record Korea
2025/4/4
Record China
2025/4/4
ピックアップ
この記事のコメントを見る