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。中国の電気代は日本より安く、公共の電気の利用でも許容度が高い。写真は充電できる上海の公衆電話ボックス。
春らんまんとはいえ、日本で家計に吹きすさぶのは値上げの風。4月に全国の電力会社が一斉に電気料金を引き上げる。中国の電気代は日本より安く、公共の電気の利用でも許容度が高い。中国における電気の「料金」「自由度」は?
桜の便りが気になる季節、本来ならもっと心浮き立ってよいはずなのだが、日本は今インフレの嵐の最中にある。そして4月には東京電力、中部電力、関西電力など全国の大手電力会社10社が一斉に料金を引き上げる。東京電力の場合、標準家庭1カ月あたりで上昇幅は377円に及ぶという。
米や野菜の価格は跳ね上がり続け、ガソリン税は「トリガー条項」の発動を待つことなく高止まり。そして今回の電気料金値上げだ。もはや日本では一般市民の家計は「四苦八苦」の様相を呈している。
電気料金の高騰は昨日今日の話ではない。2011年の東日本大震災以降、原子力発電の停止に伴う火力発電依存の増加、さらに再生可能エネルギー導入に伴う負担増が料金上昇の要因とされている。政府はこれまで補助金で負担の緩和を図ってきたが、24年度以降、その支援規模は縮小した。
再生可能エネルギー賦課金という名の「未来への投資」も国民の財布を直撃し続けている。クリーンエネルギー推進のための追加負担という建前で、電気料金の中にしれっと組み込まれている。消費者にとってはまさに「二重苦」と言うほかない。
では、中国の電気事情はどうだろうか。中国政府が電力会社への補助金を投入し、急激な値上げがほとんど起こっていない。2年前、上海の電気料金が急騰したといううわさが流れたものの、当局が「デマだ」と一蹴すると、すぐに鎮火した。
日本と上海の電気料金を比較してみよう。1カ月当たり260kWhの電力を使う場合、上海の家庭向け料金は160.42元(約3200円)。一方、日本は8595円。つまり、上海の電気料金は日本の4割以下に抑えられている。単なる発電コストの違いだけではなく、国家のエネルギー政策の差異も映し出していそうだ。
中国では高価で手が入らなかった品物を自由に手に入れられるようになることを「アイスクリームの自由」「チェリーの自由」というように表現するのが流行している。日本国内で欠けているのは「電気の自由」と言ってもよさそうだ。
というのは、日本では電気の使い方に制約があり、中国と比べると「自由度」が低いケースが少なくない。例えば、公共の充電スポットはまだまだ少なく、シェアリング充電の料金もやや高めだ。公共の電源を許可なく使おうものなら「電気窃盗」として刑法第235条に問われる可能性すらある。
以前、訪日中国人旅行者がトイレの温水洗浄便座のコンセントを使ってスマホを充電する様子をSNSに投稿し、日本のネットユーザーがこぞって眉をひそめたこともあった。
一方、中国では駅や商業施設に無料の充電ステーションが整備され、「公共の電気は皆で共有しよう」という意識すら浸透しているきらいがある(ただし、23年7月に列車の座席電源を利用して炊飯器でご飯を炊くという行為がネットで話題になった際には、公共マナーや設備負荷の観点から批判の声が上がった)。
日本で「絶滅危惧種」となった公衆電話に新たな役割を担わせているのもユニークだ。上海の街道に設置されている公衆電話ボックスでは、5GWi-Fiや無料電話サービスのほか、道行く人々に「ちょい充電」の場を提供している。街角で電源がなくて困ることが少ないのは、電気の「自由度」の高さを示しているとも言える。
とはいえ、無料充電サービスの利用はWi-Fi利用と同じく、場所によってはリスクもある。USBポートを介したデータ抜き取りといったセキュリティー面での課題を指摘する声もある。安全性が疑われる場所での安易なちょい充電は避けた方が賢明と言えそうだ。
こうして見ると、日本の電気料金は高く、使い方にも制約が多いが、安全性と秩序との引き換えに成り立っている一面もある。電気の「自由」の確保には利便性と安全性のバランスをいかに取るかという問題がつきまとう。とはいえ、日本の電気料金の高騰は消費活性化にとって大きな問題だ。値上げの連鎖、何とかならないものだろうか。(提供/邦人Navi)
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