雲南のコーヒーが「中国を代表する」理由とは?―中国メディア

人民網日本語版    2025年3月23日(日) 23時0分

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雲南のコーヒー豆は今や外せない存在となっている。

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中国の習近平国家主席は19日、雲南省の麗江古城を訪問し、石畳の道を歩きながら視察した。地元住民や沿道の観光客から「コーヒーを1杯いかがですか?」と声をかけられた。習主席は「雲南のコーヒーはやはり中国を代表するものだ。今では海外でも人気がある」と述べた。人民日報が伝えた。

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雲南のコーヒーが中国を代表するのはなぜだろうか。

一つ目の理由は、全国で圧倒的な優位性を誇る作付面積と生産量だ。

2024年に同省はコーヒーの作付面積が約8万4467ヘクタール、生産量が14万6000トンに達し、どちらも全国の98%以上を占めており、まさに中国最大のコーヒー産地だ。

雲南のコーヒー栽培の歴史は130年前までさかのぼることができ、現在の主な栽培地はプーアル市、保山市、臨滄市、徳宏タイ族・チンポー族自治州、シーサンパンナ・タイ族自治州、怒江リス族自治州の6州・市だ。北回帰線に近い、緯度が低い、標高が高い、昼夜の寒暖差が大きい、土壌が肥沃で弱酸性といった雲南の自然環境は、世界的なコーヒー産地と非常によく似ている。


コーヒー豆の中でも特に小粒のコーヒー豆は雲南の環境に最適で、「濃厚だが苦くなく、香りは強すぎず、ほのかにフルーティーな酸味がある」といった特徴を備え、ここ数年はコーヒー好きの間でますます認知度が上がっている。スターバックス、ネスレ、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)も複数種類の雲南コーヒー豆製品を相次いで売り出すなどして、国際ブランドから中国の新興コーヒーブランドまで、雲南のコーヒー豆は今や「外せない存在」となっている。

二つ目の理由は、品質の飛躍的向上だ。

同省のコーヒー作付規模は中国ではトップシェアを誇るものの、国際市場のコーヒー豆サプライシステムに占める割合は2%にも満たない。また、雲南コーヒーはハイブリッド系品種のカティモールが多く、病気に強い、生産量が多いといった長所はあるものの、品質という点でトップレベルの仲間入りをすることは難しい。

品質と生産量が国際市場で優位性を持たないということは、価格決定権もないということだ。さらに栽培のレベルと加工の立ち後れにより、雲南のコーヒーはかつては「豆を500グラム売っても、コーヒー1杯分の値段にもならない」という苦境に陥っていた。

それではどのようにして局面を打開したのだろうか。同省は22年にコーヒー産業の発展を支援するために「コーヒー6条政策」など一連の施策を打ち出し、雲南コーヒーが製品の質を高める高質化と付加価値を高める精密加工の道を歩むよう支援した。

高品質コーヒーに最適の栽培エリアとして約7万ヘクタールの土地を指定し、ゲイシャやティピカなどの優良品種の普及拡大を進め、雲南コーヒーブランドを打ち出して高品質コーヒーファームを建設した。3年にわたる努力の末、雲南コーヒーの高品質化率は21年の8%から31.6%に上昇し、精密加工率も21年の20%から80%に上昇した。

昆明税関によると、24年の同省のコーヒー輸出量は前年比358%増の3万2500トンに達し、オランダ、ドイツ、米国、ベトナムなど29の国・地域に輸出されている。


三つ目の理由は、ますます高まる市場での認知度だ。

現在、北京・上海広州深センなどの一線都市から四線・五線の小都市まで、中国ではカフェが急速に普及しつつある。特に多くの90後(1990年代生まれ)や00後(2000年代生まれ)にとって、コーヒーは単なる眠気覚ましの飲み物から、今では味わうものへと高度化を遂げている。インスタントコーヒーは高く売れないが、西湖龍井茶(中国の高級緑茶)は高値で取引されている。つまり、消費者は品質に見合った価格を受け入れるようになっている。

さらに、日増しに高まる文化的な自信により、若者世代は海外カフェブランドへの憧れの気持ちが低下する一方で、国産コーヒーへの関心を深めている。多くの雲南のコーヒー業者から「雲南のコーヒー生産量は将来的には中国国内市場のニーズを満たすのも難しくなるだろう」という声も上がるほどだ。

麗江市は実はコーヒーの産地ではないが、絶好のコーヒー消費シーンを提供している。窓を開けて雪をかぶった山を眺めるのは、コーヒーを飲みながら「ほっこり」するのにこれ以上ないぴったりの情景だ。豊富なコーヒー資源とコーヒー文化を生かしながら、同省は「コーヒーと旅行の融合」を積極的に推進し、コーヒーファーム、コーヒーマーケット、コーヒーブロックなど、コーヒーをテーマにした複数の新型消費シーンを打ち出した。観光客はコーヒーの栽培、収穫、鑑定評価など全てのプロセスにわたって、没入型の体験をすることができる。コーヒーをじっくり味わい、雲南の風土や人情に触れることもできる。


今年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)開催期間中、雲南省党委員会の王寧(ワン・ニン)書記は全国のネットユーザーに「雲南での長期滞在」を提案した。ますます多くの人に雲南を訪れてもらい、慌ただしい観光地めぐりではなく、ゆったりと暮らすように滞在し、「山水の美しさと日常の温もりを体験してほしい」というメッセージが込められている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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