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「日本で作られた純正品」として中国でネット通販されている歯磨き剤が「かぎりなく怪しい商品」と分かった。取り締まり関係者によると、輸入品と偽って販売する手口は「ずっとあった。ありふれている」と説明した。
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中国メディアの紅星新聞によると、「日本で作られた純正品」として中国でネット通販されている歯磨き剤が「かぎりなく怪しい」商品であると分かった。偽商品の取り締まり関係者によると、輸入品と偽って商品を販売する手口は「ずっとあった。ありふれている」と説明したという。
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ネットのライブ販売では出演者が「赫本希」というシリーズ商品の中の「黒松露」という歯磨き剤を示し、日本製の高級ブランド品の輸入品であり(中国の)国家認可済みなどと強調している。また、「発売から1年間で100万本も売れた」「歯磨き剤のリピート率ランキング、輸入歯磨き剤の評価ランキング、ホワイトニング歯磨き剤の人気ランキングでトップ」などと次々に説明する。しかし紅星新聞などが取材したところ、「日本で作られた純正品」であり「高級ブランド品」であるとの説明には、疑わしい点がいくつもあると分かった。
確認のために商品を購入したところ、パッケージには製造元としてM社という日本の会社名が書かれていた。M社の公式ページの記録には、2014年に中国国内で会社を開設したが22年に解散したと書かれていた。
また、「黒松露」の中国国内の取扱業者は18年に深セン市浩美生物科技という会社だった。さらに調べたところ、同社およびその経営者はこれまで、しばしば問題を起こしてきたことが分かった。19年には税金未納として社名が公表された。23年から24年には「経営異常リスト」に3回掲載された。24年12月には虚偽の広告をしたとして罰金が科せられた。経営者に対する各種警告は50回に達していた。
同社はさらに、以前にも日本企業と権利関連で問題を起こしていた。日本製として化粧品を販売しており、パッケージには製造元として日本のI社の社名が書かれていたが、紅星新聞がI社社長に話を聞いたところ、同じ名の商品シリーズを製造していたのは事実だが、中国で流通している商品はI社が製造したものではないと説明された。
I社は深セン市浩美生物科技に対して権利侵害を停止するよう要求したが、「国境の壁」があり自社の権利を保護できなかったという。I社社長は「このようなことはよく起こることで、私どもの顧客はそのことをお分かりだと思います」と語ったという。紅星新聞が深セン市浩美生物科技の経営責任者に電話を掛けたところ、「本社が販売する製品はすべて輸入品」「今は高速道路を走行中だから」とだけ言われて、すぐに切られた。
さらに、深セン市浩美生物科技は23年9月に、中国国内での「黒松露」の商標登録をしたことが分かった。一方、M社は日本で24年10月に「黒松露」の商品登録を完了させていた。「日本製の高級ブランド品の輸入品」と称して中国で販売しているが、日本での商標登録は中国より遅かったことになる。
M社の公式ウェブサイトによると、「黒松露」を販売したことはあるが、すでに販売終了になっていた。販売当時の価格は1本990円だった。中国で売られている「黒松露」の価格は3本で39元(約800円)だ。
また、日本在住の中国人によると、日本のドラッグストアやスーパーで該当商品を見たことがない。日本の大手小売業者に調べてもらったところ、いずれも「在庫なし」「該当商品なし」といった結果だった。また、アマゾン、楽天、ヤフーでも販売されていない。さらに該当商品をネット検索すると、商品説明などは全て中国語で、日本語のものはなかった。
中国法学会消費者権益保護法研究会の陳音江副秘書長は、「(日本で)販売すらされていないなら、高級品だとは言えない。消費者が誤った認識を持つことになり、消費者の知る権利を侵害している可能性がある」と述べた。陳副秘書長はさらに「販売者が製品情報が虚偽であることを知りながら、意図的に虚偽の情報で消費者を欺く場合、詐欺罪に該当する可能性がある」と強調した。つまりネットのライブ販売の関係者も、「日本から輸入した高級ブランド」という説明が虚偽と知った上で販売していた場合には、罪に問われる可能性が出てくる。
紅星新聞によると、偽商品の取り締まり関係者の一人は輸入品と偽って商品を販売する手口は「ずっとあった。ありふれている」と説明した。
中国では同件について、消費者の一人が深セン市当局に深セン市浩美生物科技などを告発した。当局側からはすでに、告発者に対して立件捜査が決定したとの通知があったという。(翻訳・編集/如月隼人)
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