ボイス・オブ・アメリカなど海外向け米国営メディアが機能停止、大統領が指示

Record China    2025年3月17日(月) 9時30分

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ボイス・オブ・アメリカのカリ・レイク局長は同局を始めとする海外向けの米国営メディアの職員を停職にすると発表し、トランプ大統領の指示に従ったものと説明した。

海外向けの米国営メディアであるボイス・オブ・アメリカのカリ・レイク局長は日本時間16日午前、米政府米国グローバルメディア局(USAGM)が所管するボイス・オブ・アメリカ(米国の声、VOA)、自由欧州放送、自由アジア放送、キューバ向けにスペイン語放送をしてきたラジオ・マルティなどの職員を停職にすると、SNSのX(旧ツイッター)を通じて表明した。次の発表があるまで給料は支給するという。トランプ政権による政府の人員削減の一環で、長年にわたり民主や自由など米国の価値観を世界に向けて訴えてきたメディアが機能を停止した。

VOAは1942年に、交戦中だったドイツと日本に向けての情報戦の一環としてラジオ放送を開始した。第二次世界大戦終結後に冷戦がはじまると、主に東側に向けての政治宣伝用のメディアとして機能した。

VOAは現在までに40を超える言語で放送するようになり、さらにウェブサイトでも情報を発信している。冷戦時とは異なり政治宣伝色が濃厚なニュースは見当たらなくなり、他の一般的なメディアとの差は小さくなったが、それでも「米国の価値観を肯定」する立場での報道を続けてきた。自由欧州放送、自由アジア放送、ラジオ・マルティも同様に、米国とは異なる立場の国々の人に向けて、「米国の価値観」への理解と支持を取り付ける目的で活動を続けてきた。

VOAなどの事実上の機能停止を発表したレイク局長はニュースキャスターの出身でUSAGMの特別顧問も務める。現在では共和党の強硬派として知られ、彼女のXのアカウントページには、自らの写真以外にトランプ大統領の写真が「ちりばめられた」状態だ。2024年11月の連邦議会選挙では、アリゾナ州で上院議員候補として立候補したが落選した。

レイク局長は16日に発表した文章によると、VOAなどの職員の停職は15日付で実施された。レイク局長は「私はUSAGM在任中、連邦政府の規模と権限を縮小するというトランプ大統領の使命に沿い、大統領令を完全に実行することを誓う。本日、我々は業務を法律で義務付けられた範囲内に合理化することで、この取り組みを継続する」「USAGMは、管轄下にある全ての法定プログラムを引き続き遂行し、適正に資金提供された法定プログラムのみを運営することを徹底し、米国民と米国納税者の資金が無秩序に浪費されることがないようにする」などと表明した。

日本時間16日午後2時ごろ確認したところ、VOAの英語版サイトでは米国東部標準時の15日の午後の早い時間以降、新たな記事が発表されていなかった。中国語サイトでは米国東部標準時では15日午前に相当する北京時間16日夜以降に、新たな記事が発表されていなかった。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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