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「タリフマン」を自任する米国のトランプ大統領が、またも世界を混乱させている。
「タリフマン(関税男)」を自任する米国のトランプ大統領が、またも世界を混乱させている。トランプ氏のけん引により、米国は今月3日にフェンタニルの問題を口実に、中国から米国への輸出品に10%の関税を上乗せした。米国の貿易での「パワハラ」に対抗するために、中国はただちに多くの措置を発表した。かねてから関税が「辞書のなかで最も美しい言葉」と公言してきたトランプ大統領だが、ますます多くの事実が示しているように、彼の「関税至上」戦略は予期の効果を達成していないどころか、米国を一層深いジレンマに陥れている。
まず、追加関税のコストは最終的に米国の消費者と企業の肩にのしかかることだ。洗濯機の関税を例に挙げれば、米国の消費者はこの関税により年間15億ドル(約2200億円)を余分に支出することになった。一方で、関税を追加した後も米国の対中貿易赤字は縮小せず、国内ではインフレ水準を押し上げられ、家庭の生活費用が大幅に増加した。シカゴ大学の実証研究によれば、米国の消費者と企業は関税コストの80%以上を背負わされている。まさに米国経済の「自傷行為」だ。
次に、トランプ氏は関税を通じて中国の発展を抑え込もうとしているが、理屈としてやはり成り立たない。中国製造業の競争力は、フルセット型の産業システムや高効率のサプライチェーン管理、そして技術革新を続けていることに由来しており、いわゆる「不公平な貿易行為」によるものではないからだ。米国の高関税政策は中国の発展を阻止できていないだけなく、中国の自主的なイノベーションを加速させ、世界経済における中国の地位を一層強固なものにしている。
2024年には中国のデジタル経済の規模が80兆元(約1600兆円)を突破し、GDPに占める割合は45%に達した。中国では人工知能(AI)、グリーン技術などの「新たな質の生産力」が経済成長の新たなエンジンになっている。
中国は米国の追加関税という挑戦に対処する一方で、「一帯一路」イニシアティブとグローバル開発イニシアティブ(GDI)を通じて貿易相手国を絶えず拡大しており、2024年にはASEANやBRICS諸国への輸出が18%増加し、関税引き上げの影響を有効に相殺した。
トランプ大統領の関税政策は中国のみならず、カナダ、メキシコ、EUなどの同盟国も標的している。そのことでも、世界規模の貿易紛争の拡大が懸念されている。カナダ首相府は、米国の関税発効を受け、4日から300億カナダドル(約3兆円)相当の米国からの輸入品に25%の関税を上乗せすることを発表した。マクロン仏大統領は、米国が欧州からの輸入品に25%の関税を課せば、EUは対等な報復措置を講じると表明した。こうした関税をめぐる応酬は、国際的な貿易秩序にとっての重大な危機であり、世界経済の成長に極めて大きな不確実性をもたらしている。
日本からも、トランプ氏の振る舞いを決して良くは思わない主張が出ている。
石破茂首相は衆議院予算委員会の会議で、「トランプ氏の『関税は、辞書の中で最も美しい言葉だ』という発言をどう見るか」と問われた際、「びっくりした」と答えた。そして、自分にとっては「ふるさと」が最も美しい言葉だと述べ、トランプ大統領の関税政策に対し批判的な態度をにじませた。
『日本経済新聞』は4日夕方になり、「勝者なき貿易戦争に一刻も早く歯止めを」と題した社説を発表した。同社説は「貿易戦争の端緒を開いた責任はトランプ政権側にある」と指摘し、「保護主義の台頭は経済のブロック化をもたらし、世界の分断を加速させるだけだ」と警鐘を鳴らした。そして、「貿易戦争は誰の得にもならない。トランプ氏は高関税政策が米国自身の経済をも傷つける事実に気づくべきだ」と猛省を促し、結びの部分では「トランプ氏のやりたい放題を許してはならない」と切り捨てた。
トランプ氏が「最も美しい言葉」と評した「関税」が現に世界経済、そして米国自身をも傷つける「毒薬」になりつつある様子が読み取れる。
歴史がすでに証明しているように、保護主義は問題を解決できないだけでなく、経済成長の落ち込みを助長するだけだ。トランプ氏のユニークな「関税美学」は、むしろ自己欺瞞的な茶番劇だ。世界経済が高度な連携関係にある今日、一国主義や保護主義は必ず行き詰まる結末を迎える。協力とウィンウィンを堅持することだけが、持続可能な経済発展を実現できるやり方だ。トランプ氏らがもし、この「証明済みの経済法則」に逆らい続けるならば、歴史の潮流に見捨てられることは間違いない。(提供/CRI)
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