「中国は核兵器の先制使用はしない」に中国ネット民「日本は除く」、「反日教育の成果」と反論も

中国外交部の16日の定例会見での問答をめぐり、中国のSNS・微博（ウェイボー）で「中国は核兵器の先制使用はしない」との話題が注目を集めている。

同日の会見で、ある記者が1964年の同日に中国が初の核実験に成功したことに言及した上で、中国政府の「核の先制不使用」に関する考え方について質問した。

会見を担当した毛寧（マオ・ニン）報道官は「1964年10月16日（核実験成功直後）、中国政府はいかなる時、いかなる状況においても、核兵器を先に使用しないと厳粛に宣言した」と説明。核の先制不使用が戦略的相互信頼を増進し、リスクを効果的に減少させているとの考えを示した上で、「中国は今年、『核不拡散条約（NPT）』第11回運用検討会議第2回準備委員会に、核兵器の相互先制不使用を提唱する作業文書を提出した。中国は各方面と共に、核兵器の全面禁止と徹底廃絶、核兵器のない世界の実現という目標のために引き続き努力する」と述べた。

なお、ロイターによると、 現在、核兵器の先制不使用を正式に堅持している核保有国は中国とインドのみとなっている。

微博では「中国は核兵器の先制使用はしない」がトレンド入りするほど注目を集めているが、ネットユーザーからのコメントで最多の4000以上の共感（いいね）を集めているのは「ほかはいいが、日本と戦う時は核兵器を投下するしかない」というコメントだった。また、「その言葉（中国は核兵器の先制使用はしない）の後ろに『日本は除く』と付け加えるべきだ」などの声も上がっている。

一方で、「（上記コメントに対して）自分で核爆弾を抱えて一緒に落ちていけばいいのに」「自分がどう考えようと勝手だけど、他人を巻き込まないでほしい」「平和を大事にしようよ」「中日友好」「こんなコメントにたくさんの“いいね”が集まるとは、やはり（反日）教育の成果だな」といった反論も寄せられている。

このほか、「中国は先制使用をすることはない」「使わなくてもいいが、所持はしておくべき」「米国は使ったけどな」「条約を尊重しているのは中国だけ」「同じ地球に住む者としてこの星を大事にすべき。中国はたとえ通常兵器の戦争で敗れたとしても、核兵器を先に使うことはないと私は信じている」「中国は核の不使用と不拡散を一貫して順守しているが、米国はどうだ？」「時代は変わった。考え方も変えるべき」「なぜ先制不使用を承諾する必要があるのか。米露は先制使用をにおわせて威嚇しているというのに」「世界が平和であってほしい」といったコメントが寄せられている。（翻訳・編集/北田）