Record China 2023年2月8日(水) 23時0分
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中国メディアの江蘇新聞はこのほど、「『放生』して裁判沙汰に、国内初」とする記事を掲載した。
記事によると、江蘇省常州市の徐(シュー)被告は2020年12月中旬、「家族の幸福を祈る」ため、主管官庁への届出を行わないまま、魚介類の販売を職業にする劉(リウ)被告から、ナマズの一種を車3台分、16万6700元(約322万円)で購入した。
徐被告は、大きくて汚く黒いその魚を目にして驚いたものの、功徳を積むために生き物を逃がす「放生(ほうじょう)」が許可されている品種かどうか尋ねることなく、劉被告に手伝ってもらいながら、その日のうちに全匹を市内にある長蕩湖に放生した。
それから程なく、湖でナマズの大量死が発生した。湖の漁業監督当局は同年12月20日からの10日間で、死んだナマズ10トン余りをすくい上げた。検察は事件が重大であることから起訴した。
大量死したナマズは、中国水産科学院淡水漁業研究センターの鑑定により、外来種の「革胡子鯰」であることが判明した。熱帯魚の革胡子鯰は水温7度以下で死亡する。長蕩湖のある地域は、冬場の水温が0度以下になるため、放生後間もなく死亡したとみられる。
外来種は在来種の生存空間を「横取り」することから、国内では放流が禁じられている。死亡した10トン余りの革胡子鯰は適時にすくい上げられたため、水質への影響はほとんど見られないことが、専門家の調査で確認された。すくい上げられなかった残りの約2.4トンが生きていれば、湖の生物多様性の安全を著しく脅かす要因になっていた。
裁判所はこのほど、徐被告と劉被告の行為は共同権利侵害を構成すると判断し、両被告に対し、生態環境損害賠償費用3万5000元(約67万円)と懲罰的賠償金5000元(約9万5000円)を連帯して負担するよう命じた。
この事件は外来種の違法放流に関する国内初の民事公益訴訟でもある。(翻訳・編集/柳川)
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