Record China 2014年2月10日(月) 21時50分
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世情を騒がせている「全聾」の天才作曲家・佐村河内守氏のゴーストライター事件。すでに週刊誌やテレビで盛んに報じられているので多くの説明は要るまいが、ここで気になるのは海外の反応だ。
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現在、世情を騒がせている「全聾」の天才作曲家・佐村河内守氏のゴーストライター事件。すでに週刊誌やテレビで盛んに報じられているので多くの説明は要るまいが、ここで気になるのは海外の反応だ。
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世界に冠たるニセモノ大国・中国のネット民たちは事件をどう見たか。新浪微博(Sina weibo)の娯楽アカウント「@新浪娯楽」に寄せられた声を以下に紹介するとしよう。
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@新浪娯楽 2月6日 16:04
【「日本のベートーベン」ゴーストライター雇用を認める】
日本の作曲家・佐村河内守氏は聴力を失ってもなお創作を続け、「日本のベートーベン」の称号を得るに至っている。だが5日、同氏はその大多数の代表的作品はゴーストライターによるものと認めた。
--湖北省武漢(2月6日 16:05)
これはひどい。
--オーストラリア華僑(2月6日 16:06)
リーガル・ハイでやれ。
※日本のドラマ「リーガル・ハイ」第2話で似たエピソードがある。指摘する中国ネット民多数。
--広東省スワトウ(2月6日 16:07)
ちゃんと本人が認めたのはえらくない?
--広東省中山(2月6日 16:12)
日本製品にもニセモノがあるのか…。
--不明(2月6日 16:18)
日本も韓国も民度変わらないなあw
--河北省石家荘(2月6日 16:19)
世の中ニセモノばっかりだよ。やれやれ。
--広東省シンセン(2月6日 16:20)
いや、けどさ。昔は情報が乏しかったわけだし、ぶっちゃけ本家のベートーベンもゴースト使ってたかもしれんだろ。ただ当時はマスコミが騒がなかっただけで。
--山東省(2月6日 16:20)
この人はわれわれ中国人から悪さを学んでしまったのであろうか。
--不明(2月6日 16:32)
どうでもいいけど、芸術家ってなんでこういう髪型にするんだろな。
--広東省シンセン(2月6日 17:16)
やっぱりリーガル・ハイの話に似てるよね。
--広西チワン族自治区北海(2月6日 17:32)
コナンでもこの手の話って多くない?
--不明(2月6日 17:37)
縁の下でずっとゴーストやってた奴を尊敬する。真のヒーローは君だ。
--雲南省昆明(2月6日 17:38)
日本人は息をするように嘘をつく。
--江蘇省淮安(2月6日 17:40)
むしろ本人が認めたのは偉いだろ?
--湖北省(2月6日 18:26)
中国の韓寒(注.若手人気作家)は、どれだけ突っ込まれてもゴーストを認めなくて、ドヤ顔だったりするわけじゃん?カネのためには尊厳とかないんだろう。同じゴースト事件でも、これが中国と日本の違い。
--北京(2月6日 19:11)
うちの国の場合だと永遠にゴースト認めないからなあ…。
--上海(2月6日 19:35)
韓寒よりは全然マシ。
--広東省広州(2月6日 19:57)
みんな、韓寒のことばかり言うのやめようよ。郭敬明の方が妥当なとこでしょ?
※郭敬明は韓寒と同じく中国の若手人気作家。著作の多数に日本のマンガや同人ゲーのパクリ疑惑がある
<↓別のアカウント「@新浪体育」の同話題の記事から>
--浙江省舟山(2月7日 11:50)
ぶっちゃけ、毛沢東の著作もゴーストが書いてるわけだが。
上記では重複するコメントは省いているが、中国人の反応を要約すると
・「リーガル・ハイ」っぽい
・中国の韓寒と比べて佐村河内はゴーストを認めただけエライ
・日本にもニセモノはあったんだ
・本文読んでないけど日本の話題はうざい。
の4種類にまとめられそうだ。
特にリーガル・ハイを挙げる声は多い。中国人はどんだけリーガル・ハイ好きなんだと思わせる一連の反応であった。
ところで「認めたからエライ」の反応が多いのは、ある意味で中国ならではなのかもしれない。日本の場合、こうした事態の際にはとりあえず謝罪するくのが正しい広報戦術として定着しているわけだが、中国の場合は、極力粘って(どれだけ無理筋でも)言い訳を主張するのが鉄板の対応。なので、疑惑の当事者がすんなり謝る姿は新鮮に映るらしい。
ほか、「日本にもニセモノがあったんかい!」という反応の裏側にある、ぼんやりした信頼感も素晴らしい。日本でも成人向けビデオのパッケージ詐欺とか、ウソとニセモノはあふれているんだよ、と伝えてあげたい気持ちでいっぱいになる。
◆筆者プロフィール:安田峰俊(やすだみねとし)
1982年滋賀県生まれ。ノンフィクション作家。多摩大学経営情報学部講師。2008〜2012年に「迷路人」のハンドルネームで中国のネット掲示板翻訳ブログ『大陸浪人のススメ』を運営、2010年に中国のネット事情に取材した『中国人の本音』(講談社)で書籍デビュー。ほか『独裁者の教養』(星海社新書)、『中国・電脳大国の嘘』(文藝春秋)など。近著に『和僑』(角川書店)。
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