中国7億人のネットユーザー、スマホ生活の実態に迫る―中国メディア

人民網日本語版    2017年8月16日(水) 0時20分

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携帯電話でネットを利用する人は7億人以上で、ユーザーの月平均モバイルインターネット通信量は1.5GB以上に達する。

携帯電話でネットを利用する人は7億人以上で、ユーザーの月平均モバイルインターネット通信量は1.5GB以上。こんなにも通信量が多いのは、スマホが手放せなくなるのが癖になっているからだろうか、それとも生きるため必要だからだろうか。スマホ族のあなたは果たして、より素晴らしい生活を送っているのだろうか、それとも焦りを募らせているのだろうか。新華網が伝えた。

◆ 月平均の通信量は1.5GB、どこに消費した?

北京市民の王麗霞さん(65)にとって、スマホは老後の重要な支え、最大の楽しみになっている。

外出前にスマホでタクシーを呼び、昼食の時間になればアプリで出前を呼び、寝る前にベッドでドラマを視聴し、暇な時には微信(Wechat)のチャットグループで、隣人の代わりに子供を送り臨時収入を得る。

中国工業・情報化部(省)の統計データによると、中国の個人のモバイルインターネット通信量が、毎月増加している。今年6月の1人あたりモバイルインターネット通信量は1591MBで、前年同月比125%増となった。さらにWi-Fi利用時の通信量を加えれば、この数字は数倍に跳ね上がる。

中国聯通(チャイナ・ユニコム)が発表した「7月モバイルアプリランキング」によると、微信、QQ、騰訊視頻、支付宝(アリペイ)がアクティブユーザー数でトップ4を占めた。うち微信のユーザー数は8億6000万人。1人あたり通信量消費ランキングのトップ4は、短編動画制作・共有サイトの快手、微信、動画共有サイトの●哩●哩(ビリビリ。●=口偏に畢)、網易雲音楽。

人々は通信量を消費すると同時に、通信量を作って、それを現金化している。こうしてかつてない新職業が生まれ、多くの起業・雇用機会を生んでいる。

短編動画制作・PR会社「星駅伝媒」の創業者である朱峰氏は、「起業して携帯動画を作らなければ、私は国有企業で働くか公務員になり、決まりきった仕事と生活を繰り返していただろう。しかしモバイルネットワークは私たちの世代に、従来とは違う生き方を模索するチャンスを与えてくれた」と話す。

一部の統計データによると、中国では新興業種が1000以上も生まれている。2016年にはシェアリングエコノミーだけでも、サービス提供者が6000万人に達した。国家情報センターは、2020年には1億人を突破すると予想している。

◆スマホを手放せない生活になって何を失った?

インターネットは生活の利便性を高め、娯楽と収益をもたらすが、悩みと戸惑いもある。

杭州市のIT企業で働くOLの程さんは最近、微信モーメンツの使用を停止したという。その理由は簡単だ。「思わずチェックしてしまい、通信量を消費してしまうのはともかく、時間を無駄にしているから」

ドイツの調査会社「Statista」の統計データによると、中国のスマホユーザーは2016年にスマホを毎日3時間利用しており、「夢中度」で世界2位につけている。テンセントのデータによると、微信だけでも毎日の使用時間が1時間半のユーザーが半数に達している。

清華大学新聞・伝播学院の金兼斌教授は、「通信量経済は人々の注意力を奪い、自己喪失という最大の問題が生じる。スマホを手にして忙しそうに見えるが、その一部の仕事は急ぎのものではない。表面的にはネット記事を読み多くのことを学んだように見えるが、得られる知識は系統的ではなく、問題を直接解決できるものではない」と指摘した。

テンセントが行った「SNS断捨離」実験によると、15日続けて微信の使用時間を毎日30分に短縮すると、被験者の消極的な情緒が大きく改善され、仕事への集中度が大幅に高まった。

人と人がいつまでもスマホの交流のみに留まり、特に長期的にSNSにのめり込むと、性格や行為の形成に知らぬ間に影響が生じる。

北京の事業機関の管理職は、「近年採用している実習生、特に90年代生まれになると、EQ(心の知能指数)や感情表現などの面に欠陥があると感じる。ルックス抜群でEQの高いモーメンツのイメージとはかけ離れている」と指摘した。

◆5G社会を目前に 中国人のネット生活はどうなる?

さらに大きな変化が控えている。例えば、間もなく訪れる5G応用だ。

中国移動(チャイナ・モバイル)は上半期、上海市と広州市で5G試験ネットワークの設置を完了した。これによる通信密度は1平方キロメートル当たり10-100Tbpsに達する。つまり5Gは今後、スマホ通信量の1000倍以上の拡大をサポートし、高画質映画のダウンロードに1秒もかからないことになる。

米Cisco社は報告書の中で、世界のスマホ1台当たりの平均月間通信量は2021年に14.9GBに増加すると予想した。これにより、人々の多くの需要が満たされるようになる。これはまた人の自制心と実行力の大きな試練となる。

長沙市に住む趙さん(51)は、5Gが間もなく切り開く「新世界」について、「期待しているが、不安でもある。今でも多くのスマホアプリを使えないのに、今後さらに多くのものが登場すれば、本当にスマホがなければ生きられなくなるのではないか。もっと年上の高齢者は、社会から見捨てられるのではないか」と述べた。

実際に「断捨離」を選び始めている人もいる。「地下鉄蔵書活動(地下鉄に読み終わった本を置き、読書普及につなげる活動)」の流行や、微信がモーメンツに三日間以内の内容しか閲覧できない機能を追加した。テンセントはモバイルゲーム「王者栄耀(Honor of Kings)」にもユーザのゲーム没頭防止機能を追加した。これは通信量への意図的な制御、スマホの過度使用への反省だ。

金氏は今後について、「物質文明が発達するにつれ、社会の発展が速くなる。これは歴史の進歩の必然的な法則だ。スマホ族の幸福指数が上がったかは現時点では不明だが、将来的に人工知能をうまく活用できれば、娯楽の時間をより多く確保できるようになるだろう」と語った。(提供/人民網日本語版・編集YF)

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