2015年5月15日、米シンクタンク・ジェームズタウン財団は、中国海警局は大量の巡視艇を保有しているが、航空機が不足しているため、広大な海域を監視し、権益を保護する能力を十分に発揮できていないと指摘した。18日付で中国紙・参考消息（電子版）が伝えた。

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中国海警局が所有する航空機は航続距離1300キロの多用途ターボプロップ機「Y−12」6機のみ。数百万平方キロにも及ぶ海域をわずか6機で巡回することは難しく、中国政府が主張する海域における権益保護の要求を満たしていない。

Y−12は尖閣諸島まで航行可能ではあるものの、能力不足のためにできる限り迅速に引き返さなければならず、その成果は象徴的なものになっている。東シナ海でさえ全域をカバーすることが難しいとなれば、南シナ海に関しては言わずもがなである。

こうした状況に対し、関係部門は今まさに、海洋監視航空チームの構築と改善に取り組んでいる。海警局後勤装備部の王秋或（ワン・チウフオ）部長は14年11月、中航工業グループの航空機メーカー・西安飛機工業公司を訪れ、民間旅客機として活用されている「MA60」の購入について協議した。同機はY−12の2〜3倍の航続距離と、海洋監視のための最新設備を携帯できる能力を備えている。

また、中航工業グループが開発中の世界最大規模の水陸両用機「AG600」を、海警局が導入する可能性があるとも言われている。AG600の性能を考えると、南シナ海のあらゆるエリアを巡回することができるようになる。

中国は航空機の新たな購入計画や領有権を主張する海域での基地構築などによる弱点の補強に努めており、これらが実現すれば強大な海洋警備隊を構築するための大きな一歩を踏み出すことになるだろう。（翻訳・編集/秋田）