中国は日本の便座を買うより前に、日本のトイレ文化を学ぶべき―中国メディア

Record China    2015年3月6日(金) 19時33分

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4日、春節前に「温水洗浄便座を買うために日本へ行く」という文章が中国のSNSで爆発的に転送された。資料写真。

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2015年3月4日、春節前に「温水洗浄便座を買うために日本へ行く」という文章が微博(ウェイボー)や微信(We chat)に爆発的に転送された。中国人は日本の免税店で電気炊飯器や温水洗浄便座などを買い占め、大きな荷物を背負って帰国する。特に便座は抗菌仕様で、瞬時に便座が温かくなる機能や水流を調整する機能などを備えており、便利で、実用的で、エコだという。この文章はネットで熱い議論を引き起こし、「メイド・イン・チャイナ」はいまだにロークラスの組み立て加工の段階にあり、ユーザー本位のデザインに欠けているのではないかと中国製品の質を疑問視する声が上がる一方、中国にも同じような商品はあるが、市場の注目度が低いだけだと指摘する声も上がった。

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春節の連休中に九州の旅に出かけたが、心の中にはずっと日本の便座のことがあった。旅行で訪れたあらゆる場所、たとえば百貨店、温泉旅館、観光地、サービスエリア、レストランなどに備えられていたトイレはすべてが非常に清潔だった。トイレのほとんどは洋式で、便座は瞬間的に加熱され、座ると温かかった。左には多くのボタンがあり、その中の「音姫」と呼ばれるボタンは、水の流れる音でトイレの音を消してくれる機能を持つ。トイレには大きなゴミ箱は置かれていなかったが、トイレットペーパーは十分に備蓄されていた。しかもトイレットペーパーは水溶性なので、直接トイレに流すことができる。また、トイレには荷物を置く場所があり、使用者への配慮が実に行き届いていた。

大げさではなく、日本でトイレに行くと、身も心も喜びを感じる。一方、中国のトイレは、家や高級デパートを除けば、お世辞にも褒められない、ひどい環境のトイレが少なくない。これには管理の問題のほか、観光客自身のマナーの問題も存在する。

海を渡って便座を買い、日本の電化製品の技術に執着することは、全体のごく一部しか目にすることができない。ならば、日本の「清潔で、美しく、人に優しい」という「トイレ文化」を学んだほうがいい。

いわゆる日本の「トイレ文化」には、日本製品のきめ細やかな精神や日本人の清潔や美と融合した遺伝子の特性が隠されている。海外の観光客が訪日した際に、カメラ、精巧な腕時計、セラミック包丁などが必ず購入する商品だ。高品質の象徴である「メイド・イン・ジャパン」は、一つの便座にしても、多機能を備え、使用者のさまざまな期待を満足させる、あるいは期待をはるかに超える。まさに、ユーザー本位の、人に優しい商品を生み出す思考がそれを支えているのだ。

トイレを清潔にすることは、人々の心身をリラックスさせる。これは、清潔を追求する文化がなせるものだ。日本人は見た目を非常に気にする。タクシーの運転手はスーツにネクタイを締め、道路は清潔で、川の水は澄んでいる。もちろんトイレも例外ではない。

日本には誰もがよく知るトイレ掃除に関わるエピソードがある。主人公は、元郵政大臣の野田聖子氏だ。野田氏が会社に入って、初めて担当した仕事はトイレ掃除だった。この任務はトイレをまるで新しいトイレのように清潔に洗うことが要求された。最初はトイレに向かうだけでも吐きそうになったという野田氏だが、最後にはトイレに溜まっている水をグラス一杯なみなみに注いで飲み干すまでに、トイレを磨き上げた。これは、自分が行った仕事に対する自信の表れでもある。

中国を師とする古代の日本は、中国から遣唐使が帰国した後、「大化の改新」を行った。李大[金リ](り・たいしょう)、魯迅(ろじん)といった近代の中国の知識人らはかつて日本に渡って先進的な思想や文化を持ち帰った。海がどんな川の水でも差別なく受け入れるように、他の人の優秀なところは、じっくりと心を据えて学ぶべきだ。これと、卑屈になることとは全く関係ない。もし魯迅が提唱した、「拿来主義」(外国の良いものを取り入れ自国の発展に役立てる主義)が単に表面的な市場占有率だけのことを意味するのであれば、商品の競争だけを気にし、商品の背景にある精神的な内実を無視することになる。これは、まるで箱だけ買って、中身の玉を返すようなものだ。

わざわざ海を渡って温水洗浄便座を買うぐらいなら、トイレを清潔にする精神から学ぶべきだ。真に人に優しい、品質を追求する理念を商品の中に取り入れるため、「メイド・イン・チャイナ」を全体的に新常態の高みに押し上げるべく推進していかなければならない。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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